こうした経緯があった中でドムドムは再出発を図ります。マクドナルドとは大きく差が開いてしまっているため、ドムドムが今後出店する際はマクドナルドとの競合を避ける必要があります。地名度と価格競争力の点において敵わないといえるでしょう。
とはいえ、マクドナルドと完全に競争を回避することは困難です。ドムドムが店舗網を広げていく中で、少なからず競合が発生することになるでしょう。その際に、現状の低価格帯のままでは勝負に勝つことは困難です。そのため、もう少し価格帯を上げる必要があると私は考えます。
価格帯を上げたことで軌道に乗りつつあるハンバーガーチェーンがあります。ウェンディーズ・ジャパンが展開する、ウェンディーズとファーストキッチンのコラボ店「ファーストキッチン・ウェンディーズ」です。1号店を15年3月に東京・六本木に出店し、現在は26店を展開しています。コラボ店ではファーストキッチンで扱っている一部のメニューのほか、ウェンディーズのバーガーや両ブランドのコラボバーガーも販売し好評を得ています。
ファーストキッチンのハンバーガー単品の価格帯は220~550円程度で、Mセットだと610~940円程度です。ドムドムよりやや高い設定になります。一方、コラボ店で扱うウェンディーズバーガーやコラボバーガーの価格帯が370~900円程度と高いため、コラボ店の価格帯は押し上がる形でファーストキッチンよりも高くなっています。もちろん、価格に見合うだけの高付加価値バーガーが投入されているので、それらを目当てにした客で賑わっているようです。
近年、高級グルメバーガーが話題を呼んでいます。15年7月にニューヨーク発の「ベアバーガー」の1号店が日本に上陸しました。15年11月にはニューヨーク発の「シェイクシャック」が、16年3月にカリフォルニア発の「カールスジュニア」が、17年3月にロサンゼルス発の「ウマミバーガー」が、それぞれ日本に1号店をオープンしています。どれも高価格帯の高付加価値バーガーを販売し人気を博しています。
こうしたこともあり、ドムドムでもある程度高価格帯の高付加価値バーガーを投入するべきだと考えます。消費者のハンバーガーに対する価格受容範囲の上限は高まっているため受け入れられるはずです。そして、昔ながらのドムドムのハンバーガーも大事にし、新旧織り交ぜたラインナップにすることで差別化を図るのです。
いずれにしても、ドムドムの再出発に注目したいところです。
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