中国当局が、香港の書店経営者を拘束。スウェーデン国籍かつ重病人

 

実際、かつて習近平の最大のライバルと目されていた薄煕来も監獄で肝臓がんを発症したといわれています。習近平にとって邪魔な存在の有名人がなぜか次々と死に至る病に冒されているのは、偶然の一致なのでしょうか。何らかの露見を恐れて、中国当局が桂民海氏を連れ去った可能性もあります。

しかも今回は、スウェーデン領事館員が2人も随行していました。ニューヨーク・タイムズによれば、桂民海氏の逮捕に際し、彼らが抵抗したかどうかは明らかではないとしています。また、中国当局はスウェーデンの外交当局に対して、桂民海氏が機密情報をスウェーデン当局に漏らした疑いで拘束したと話しているそうです。最近、中国で頻発している、スパイ容疑での外国人逮捕ということです。

しかし、つい最近まで2年間も中国で拘束されていた桂民海氏が、いったいどのような機密情報を握っていたというのでしょうか。機密を知りうる立場でもないのは明らかです。

これは、中国がどのような国籍であろうと、あるいはどのようなシチュエーションであろうが、習近平批判をした者は容赦なく拘束するということを意味しています。日本では習近平批判の書籍がたくさん出ていますが、そういう本を持って中国に入国することも危険な行為だといえます。ましてや、私のような人間が中国に行けば確実に逮捕されるでしょう。

以前のメルマガでも書きましたが、中国では政敵を逮捕、拘束した場合、絶対に治療行為はしません。毛沢東によって失脚させられた劉少奇も彭徳懐もそれで持病が悪化して死亡しましたし、劉暁波ももう手遅れという段階で中国は治療のポーズだけは見せましたが、基本的に放置されて病状が悪化しました。もちろん、前述したように、わざと肝臓がんになるように何らかの手が下された可能性も否定できません。桂民海氏は結局、劉暁波と同様に獄死させられてしまうのでしょうか。

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