有識者からは「現在、契約しているキャリアに電話するのではなく、新しく契約したい会社だけで、MNPの手続きが完了するようにすればいいのではないか」という意見が出た。
筆者は、アメリカで、AT&Tからベライゾン、さらにはベライゾンからProject FiにMNPをした経験があるが、いずれも、新しく契約するキャリアで手続きをするだけで番号移行ができた。特にProject Fiはネットでの手続きだっただけに、本当に簡単だという印象がある。
総務省の議論では、2年縛りも問題視されている。しかし、5Gに向けて膨大な設備投資を余儀なくされるキャリアにとって、2年縛りは安定した経営を支える根幹だけに、是が非でも継続していきたいことだろう。
とはいえ、競争環境を促進するという目的をかなえるためには、キャリアとしてもどこかで妥協点をみつけないといけないはずだ。
ユーザーの利便性向上と、サブブランド優遇の批判を回避する上で、「MNPの手続きを新規契約時のみにする」という解決策は、キャリアも何とか飲み込める適度な落としどころではないだろうか。
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