なぜ女性小学校教師は給食の残りを児童が吐くまで食べさせたのか

 

教師たちによる生徒たちへの暴力・暴言案件が次々と明るみになっています。いかなる理由があろうとも、子供たちに対して力を用いるのは許されることではありません。なぜ教師たちはかような行為に及んでしまうのでしょうか。今回の無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では発行人のひとりである松井妙子さんが、その背景を考察するとともに解決策を探っています。

先生の暴力は犯罪

今年になって教師による子供たちへの加害事件が、次々と明らかになっています。

1月23日、北九州市の市立小学校の男性教諭が6年生の男子児童の顔を蹴り、顔の骨を折る重傷を負わせています。休み時間に体調不良を訴えて保健室で検温していた児童に対して、「3時間目が始まったので教室に戻るように」と促しましたが、従わなかったので顔を蹴ったもので、教師は、「スイッチが入ってしまった」と言っているとのことです。

青森県教育委員会は、1月10日、体罰をした教師2名への懲戒処分を発表しました。三戸郡内の中学校の男性教諭は、2015年8月から17年3月までの1年半以上に渡って、部活中などに、男子生徒4人に対して、顔に唾をかけたり平手打ちにするなどの体罰を繰り返し、減給10分の1(3カ月)の懲戒処分になりました。80回も唾をかけられた生徒や、50回以上平手打ちをされた生徒もおり、脛を蹴ったり頬をつねったりもしていたとのことです。また、青森市内の中学校の女性教諭は、2017年3月、「声が小さい。しっかりしなさい」と激怒。女子生徒の尻を膝蹴りして、「腰椎棘突起骨端線損傷という全治3ヵ月のけがをさせて、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分になりました。2人とも過去にも生徒への体罰で口頭訓告を受けていました。

福岡市では、1月31日、市立小学校3年の男児が、担任の男性教諭からの暴力で、鎖骨骨折の重傷を負っていたことがわかりました。昨年12月19日、男児が算数の宿題を忘れたため、午前中の休み時間にするように指導。しかし、その後も宿題をしていないようだったので、男児の胸ぐらをつかんで廊下の壁に押しつけるなどしたとのことです。

1月30日には、東京都教育委員会によって女性教諭が戒告処分になりました。この教師は、2014年1月31日、都内の区立小学校で、担任していたクラスに欠席者が多く、給食が余ったことから、「お代わりして、みんなで残さないように食べなさい」とクラスの児童全員に指示。男子児童の一人は「もう食べられません」と訴えましたが、無理やり食べさせ、児童は嘔吐したということです。他にも、2013年から2014年にかけて、児童に対して、「学校に来なくていい」、「最低だね」などの暴言を言ったり、事情も聴かずに児童が鉛筆を盗ったと決めつけるなどしていました。

保健室から戻らないとか、宿題をしないとか、声が小さいとか、自分の思うままにならないからと言って、「スイッチが入って」しまい、教師が子供たちに暴力をふるう…、教師の言うことを聞かない子供たちに対して腹立ちを抑えきれないということですが、もう一面には、子供に言うことをきかせる能力のない教師が体罰にたよってしまうという側面も伺えます。

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