海外からも疑問、詩織さん性的暴行事件になぜ日本は沈黙するのか

 

メディアを動かして国民の議論を促すべく、野党議員らは超党派の「『準強姦事件逮捕状執行停止問題』を検証する会」を立ち上げた。

昨年12月1日、5日の衆議院法務委員会で、柚木道義議員が中村氏の出席を求めたのは、山口氏逮捕取り消しの真相解明のためだったが、与党理事たちの反対で、中村氏はついに姿を現さなかった。与党のそんな姿勢は今年の通常国会でも続いている。マスメディアはあいかわらず沈黙を守ったままだ。

柚木議員が安倍首相の見解を初めて問いただしたのが、今年1月30日の衆院予算委員会における質疑だった。

柚木議員「安倍総理、『総理』という本を書かれた方ですから、非常に親しい関係であることはわかるんですが、この方が準強姦罪で捜査対象であったことをご存知でしたか」

安倍首相「個別の案件について答える立場ではございません」

柚木議員「世界中が日本を性暴力被害後進国と思っている。性犯罪を厳罰化する刑法改正をしても、もみ消しがあったら何の意味もない。捜査が行われているのを知っていたかどうか答えていただきたい」「『総理』が出版されたのは、著者が不起訴になる直前です。不起訴になることをご存知だったのでは」

安倍首相じゅ準強姦ですか、そういう個々の事件についてですね、総理大臣が報告を受けるという事はないということは、はっきりと申し上げておきたい」

安倍首相の答弁には明らかなクセがあって、都合の悪いことを空とぼけるさいには、「じゅ、ジュン強姦ですか」のような言い方をする。森友問題では「モリトモ…学園ですか」「えーカゴイケさんかな」と、よく知らないフリをしてみせた

山口氏をクロだと決めつけるのはよくない。だが、一度は高輪署が逮捕状をとったように、状況的には限りなくクロに近いのだ。

就職の相談に乗るのに、鮨屋などをはしごして酒を飲む必要などあるわけがない。コーヒー一杯ですむことだ。女性が酔いつぶれて、近くの駅で降ろしてくれとタクシー運転手に懇願しているのに、宿泊する高級ホテルへつけさせたのはなぜなのか。一人で帰れないと判断したのなら、彼女の住まいまで送っていくのが紳士だろう。

ホテルに向かったのを許容するとしても、彼女に別の部屋をとるならともかく、自分の部屋に連れ込んだうえ、嘔吐を繰り返し意識がもうろうとしている女性と性交渉におよぶとはなにごとか。

山口氏救出に安倍官邸がからんでいないというのなら、政府与党は中村氏を国会に呼びしっかり説明させるべきである。

image by: YouTube Shiori Ito: Author of “Black Box”(FCCJchannel 日本外国特派員協会 会見映像 オフィシャルサイト

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