社会保険の調査が来た。加入しそびれた社員がいたらどうする?

 

O社社長 「今回、社会保険の調査に初めてあたってしまいまして…2年間分の資料を持ってきなさいと言われているんです。そうすると、パートさんで社会保険に入っていない期間があると新米さんから指摘されまして、ここはどうなるのでしょうか?」

大塚 「社会保険の時効は2年間ありますので、加入できていない、等級がおかしいということになると、原則2年前まで遡って訂正することになるんです」

O社社長 「つまりうちの場合は、遡ってくださいと言われるケースということなんですね」

大塚 「そういうことですね」

O社社長 「それは困りました…。保険料が数十万円かかります。できれば避けたいですね~」

大塚 「確かにそうですが…。ところで、労働条件が変わっていないのに途中から社会保険に加入されたというのは間違いないですか?」

O社社長 「はい、そうなんです。高年齢の嘱託の方で採用時から1日6時間勤務なんですが、採用された段階で社会保険加入の対象だったということは後から知ったんです」

大塚 「そういうことですか。気づいたときに遡って加入しておけばよかったですね」

O社社長「そうかもしれませんね。でも、遡って入れるということは今回知りました」

大塚 「他に事情はありませんでしたか?」

O社社長 「実は、国民健康保険や国民年金の支払いが大変なんですと相談を受けて、社会保険に入った方が出費が低いですよと提案したんです。それに奥様もお仕事をやめたそうで…。それなら奥様を扶養に入れるとさらに保険料が助かるのでは? とお話ししました」

大塚 「そうでしたか。保険料が下がることで社会保険に加入したなら、今回、遡ることで過去の保険料も助かるっていうことですよ。新米から聞きましたが、遡及して支払うだけで過去の保険料は返ってこないと思っていらっしゃったのですね。保険料は、戻ってきますので、実質プラスマイナスになりますよ」

O社社長 「過去の保険料は返ってくるっていうことなんですね?」

大塚 「そうです。国民健康保険も国民年金も二重取りにはなりません。そこは安心してください」

O社社長 「それは、良かったです! 保険料がすごくかかる、とそればっかり思っていたのです。うちの会社のミスでもあるので、ご本人さんの保険料も会社で負担してあげないと…とか、どうしたものかと頭をかかえていました」

大塚 「遡ることで、ご本人にも保険料のメリットがあるなら、相談しやすいですよね。しかし、ひとつやっかいなこともあるんです。それもお話しておきますね」

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