仮想通貨で独立する国家があってもいい。中島聡が提唱する仮想国家論

 

この状況を見れば、中国やインドが仮想通貨の規制に乗り出すのも当然で、このままでは仮想通貨が本当の意味での通貨として使える時代は来ないのではないかと思える状況です。

この問題の根底にあるのが、仮想通貨を投機の対象としてしか見ていない人たちの存在で、現在、仮想通貨を活発に取引している人たちの99%がそんな人たちだと思って間違いありません。日本語の「億り人」という言葉がその典型で、結局は円に換算した資産を増やすことしか考えていないのです。

仮想通貨を積極的に取引している人たちは、仮想通貨市場に批判的な人たちに対して「彼らは、仮想通貨の価値が分かっていないんだ」と言いますが、私に言わせれば、「億り人」という円建ての発想でしか考えられない人たちこそ仮想通貨の価値が分かっていないのだと思います。

つまり、「どの国の中央銀行にも管理されていない国際通貨」という素晴らしい発想で作られた仮想通貨が、そのポテンシャル故に投機対象となり、逆に通貨としての機能を失ってしまっている、というのが現状なのです。

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