台湾地震で改めて浮き彫りになった「日台の絆」に中国が歯ぎしり

 

また、世界各国からはお見舞いの言葉も寄せられています。もちろん、日本の皆さんからの応援メッセージや寄付金もすぐに届きまました。地震当時、台北にいた俳優の阿部寛さんは一千万円の寄付を申し出たことで話題を呼びました。

阿部寛、台湾地震に「1000万円寄付」で台湾人から感謝の声が殺到

台湾在住の飲食店経営の男性は、被災地で博多ラーメン200食を被災者や消防隊員の方々に提供したこともニュースとなりました。この男性は、台湾南部地震の被害者だったそうです。

日本人が台湾の被災地で博多ラーメン200食提供 現地は感激の嵐

捜索救助犬隊に所属するラブラドール・レトリバーの「鉄雄」も、生存者を一人発見する活躍を見せ、明るい話題を提供してくれましたが、被災地で負傷したため、その後治療にあたっているそうです。

被災地で活躍の災害救助犬 けがで病院に運ばれる=台湾東部地震

しかし、ここでも中国とのギクシャクした関係は浮き彫りになります。地震発生後、中国も早々に支援を申し出てきましたが、蔡英文総統は中国からの支援は断り日本からの支援は受け入れるという選択をしたのです。表向きの理由は、日本は生存者を発見できる高度な機材を持っているから。

しかし、そんなことで中国側が納得するわけがありません。報道によると、「中国のインターネット交流サイト(SNS)は、今回の地震で改めて浮き彫りになった日台の親密ぶりに『台湾独立分子の目には、中国は敵で日本は身内と映っている』などと台湾を非難する書き込みであふれている」そうです。共産党機関紙・人民日報系の環球時報(電子版)も8日、「大陸を拒絶しながら日本の援助を受けるのか?」と題する記事を配信しました。

日本特別扱いに中国反発=台湾地震の救援めぐり

日台の親密ぶりに入り込む隙のない中国は、批判の矛先を日本にも向けました。報道を以下引用します。

中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は9日の定例記者会見で、安倍晋三首相が台湾の蔡英文総統への地震お見舞いメッセージで「総統」の肩書を使用したことについて「直ちに誤りをただし、中日関係に新たな妨害を作らないよう促す」と批判。日本側に厳正な申し入れを行ったことを明らかにした。

<台湾地震>安倍首相のお見舞いメッセージ、中国批判

さすが、人命や人権よりも政治を重んじる中国です。だいたい、蔡英文は総統で間違いないですし、それ以外にどう呼べというのでしょうか。トランプ大統領などは、「The President of Taiwan」と呼んでいます。

地震をめぐる様々なドラマがあった5日間でしたが、建物の倒壊を食い止めながらの救出劇は終了となりました。これからは、被災者のライフラインの復旧や、生活の立て直しへと問題は移行していきます。旧正月を目前に控えての地震でした。また、観光地として成り立っている花蓮県であるため、復旧作業は急がれます。

print
いま読まれてます

  • 台湾地震で改めて浮き彫りになった「日台の絆」に中国が歯ぎしり
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け