また、世界各国からはお見舞いの言葉も寄せられています。もちろん、日本の皆さんからの応援メッセージや寄付金もすぐに届きまました。地震当時、台北にいた俳優の阿部寛さんは、一千万円の寄付を申し出たことで話題を呼びました。
● 阿部寛、台湾地震に「1000万円寄付」で台湾人から感謝の声が殺到
台湾在住の飲食店経営の男性は、被災地で博多ラーメン200食を被災者や消防隊員の方々に提供したこともニュースとなりました。この男性は、台湾南部地震の被害者だったそうです。
● 日本人が台湾の被災地で博多ラーメン200食提供 現地は感激の嵐
捜索救助犬隊に所属するラブラドール・レトリバーの「鉄雄」も、生存者を一人発見する活躍を見せ、明るい話題を提供してくれましたが、被災地で負傷したため、その後治療にあたっているそうです。
● 被災地で活躍の災害救助犬 けがで病院に運ばれる=台湾東部地震
しかし、ここでも中国とのギクシャクした関係は浮き彫りになります。地震発生後、中国も早々に支援を申し出てきましたが、蔡英文総統は中国からの支援は断り、日本からの支援は受け入れるという選択をしたのです。表向きの理由は、日本は生存者を発見できる高度な機材を持っているから。
しかし、そんなことで中国側が納得するわけがありません。報道によると、「中国のインターネット交流サイト(SNS)は、今回の地震で改めて浮き彫りになった日台の親密ぶりに『台湾独立分子の目には、中国は敵で日本は身内と映っている』などと台湾を非難する書き込みであふれている」そうです。共産党機関紙・人民日報系の環球時報(電子版)も8日、「大陸を拒絶しながら日本の援助を受けるのか?」と題する記事を配信しました。
日台の親密ぶりに入り込む隙のない中国は、批判の矛先を日本にも向けました。報道を以下引用します。
中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は9日の定例記者会見で、安倍晋三首相が台湾の蔡英文総統への地震お見舞いメッセージで「総統」の肩書を使用したことについて「直ちに誤りをただし、中日関係に新たな妨害を作らないよう促す」と批判。日本側に厳正な申し入れを行ったことを明らかにした。
さすが、人命や人権よりも政治を重んじる中国です。だいたい、蔡英文は総統で間違いないですし、それ以外にどう呼べというのでしょうか。トランプ大統領などは、「The President of Taiwan」と呼んでいます。
地震をめぐる様々なドラマがあった5日間でしたが、建物の倒壊を食い止めながらの救出劇は終了となりました。これからは、被災者のライフラインの復旧や、生活の立て直しへと問題は移行していきます。旧正月を目前に控えての地震でした。また、観光地として成り立っている花蓮県であるため、復旧作業は急がれます。