台湾地震で改めて浮き彫りになった「日台の絆」に中国が歯ぎしり

 

気になったのは、日本での報道が少ないことです。こうしたニュースはワイドショーで連日話題にされるものですが、今回はあまり取り上げられていませんでした。地震のほかに、北朝鮮の軍事パレードや冬季オリンピックなど優先すべき事項があったからなのかもしれませんが、どうも、最近の中国の動きと連動しているように思えて仕方ないのです。

このメルマガでも以前に紹介しましたが、中国は今、諸外国の民間企業に台湾の扱いについて非常に目を光らせており、台湾を国扱いしようものなら公開謝罪を強制するという力の入れようです。最近のニュースでは、「メルセデス・ベンツ」の宣伝広告にチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の言葉が引用されたことに中国内で反発が起き、ベンツの中国販売会社が謝罪に追い込まれた、という話題がありました。

ベンツ広告にダライ・ラマの言葉 中国で批判、謝罪

日本の良品計画が作成したカタログに掲載した地図にも、中国側からのクレームがついて廃棄処分を受けました。ただ、このニュースにはその後のオチがあります。以下、報道を引用します。

日本の良品計画(東京都)が運営する無印良品のカタログが中国当局から「地図に釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)が掲載されていない」などと指摘され廃棄処分を受けた問題で、この地図は大まかな世界地図で沖縄諸島なども掲載されておらず、中国側の主張には適さないことがわかった。

 

中国外務省の会見場に設置された世界地図にも尖閣諸島(沖縄県石垣市)などの記載はなく、事実上の「言いがかり」であることが浮き彫りとなった。

 

中国の国家測量地理情報局は、中国が領有権を主張する尖閣諸島などが地図に記載されていないと主張。良品計画によると、地図は世界各地の無印良品の店舗数を示すのが目的で、日本のカタログに掲載した地図を中国語に翻訳したものだった。

中国が指摘した無印良品の地図問題 会見場の地図にも尖閣諸島の掲載なし

とにかく、気に入らないものは闇雲にイチャモンをつけるわけです。しかし、中国という巨大マーケットを敵に回す民間企業はまずありませんから、中国の理不尽な主張をどう思うかは別として、みな言われた通りに謝罪するなり廃棄するなりするわけです。

こうしてエスカレートしている中国の態度を忖度するように、日本のワイドショーからは台湾の地震のニュースが消えています。安倍首相が堂々と「台湾加油」と言っているのに、マスメディアが萎縮しているとしたら、なんともおかしな話です。

台湾は、日本と同じく地震の多い国です。日本からインドネシアに至るまで、環ユーラシア大陸の列島線は、なおも活火山が多く、地震が多い上に台風も多くあります。いわゆる「天変地異と言われる自然災害が多いのです。

中国も自然災害は多くありますが、中国の場合は水害、疫病の流行、旱魃などが多く、自然と社会の劣化が連鎖的にそして加速度的に繰り返され、年々深刻になっていきます。自然災害が珍しくないことから、中国人は自然災害に遭遇した人への感情的な反応は薄いけれど、それを政治利用しようとする傾向はあります。

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