とにかく、奈緒がサンファを抱くようにして慰める絵が今回のオリンピックの最大の収穫である。
二人はライバルでありながら最大の親友でもあったらしい。奈緒がオランダに行くときに、空港までのタクシー代をサンファが出してくれたり、日本にサンファが遊びに来たときには、奈緒が最大のおもてなしをしたり。
こんな美しい関係を韓国と日本の間で作ることができるのだ。驚きと同時にかぎりない希望が湧く瞬間であった。
二人が女性だということも、大いに関係があると思う。女の恨みは、夏でも雪を降らせるなんて言い伝えがこちら韓国にはあるけれど、女の愛は、どんな氷でも溶かしてくれるということも事実だ。奈緒とサンファ(相花)。氷上に咲いた二つの大輪をいつまでも記憶しておきたいと思った。
男性性よりは女性性をもってやっていけば、おおくの問題もやわらかく対処しながら解きほぐしていくことができるものと思われる。女性性を大切にしていくべしだ。
サンファが奈緒にくず折れるようにして涙を流している絵を見るたびにこちらもとめどなく涙が流れてきてしまう。こんな感動を与えてくれた奈緒とサンファの二人に、最大の拍手を送りたい(こんなことぐらいしかできないのが残念だ)。
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