血の繋がりが目を曇らせる。「親子」という重い鎖に縛られた人々

小原一将 人間論 親子関係
 

はたから見るととても良好な親子関係に見えても、当人たちは「合わない。でも親子だから…」という悩みを密かに抱えているケース、意外と多いようです。今回の無料メルマガ『人間をとことん考える(人間論)』では著者で臨床心理にも詳しい薬剤師の小原一将さんが、「血の繋がり」という切っても切れない縁をもっていながら、実は他人より難しいこともある親子関係について考えます。

親子の関係性

親子の関係というものはいつの時代も難しい問題なのだろうと思っている。親と子は別の固体であり、遺伝的につながりが大きいとは言え育った環境も違う。しかし、血の繋がりというのは時に目を曇らせ話をややこしくする

色々な家庭があり一般的な話というのは難しいのだが、おそらくほとんどの家庭に向けてアドバイスできるであろう内容を1つ思いついた。それは「親も子も成長していくということを親と子のお互いに理解する」ということ。

親離れ子離れといった問題があるが、おそらくこの理解が足りていない。

子どもは当然成長する。身体的な成長はもちろん、自我が芽生え自分という存在を認識し自立する。社会的にも経済的にも成長していき、いつの日か育ててくれた親と同じ存在となる

親も当然成長していく。最初は子を持つ親として初心者だったが、だんだんと経験を積み技術や経験を積み上げる。家庭だけではなく社会で重要なポジションにつくことで親も人間として成長していく。そして、子どもが子どもでなくなる頃親も親であることから離れていく

血の繋がりとしては親なのだが、それは以前までの親ではない。子どもを養う責任から離れ、子どもを育てた1人の人間としてまたそこにあり続けることになる。

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