青山や中目黒の奥様が殺到、パリ発「冷凍食品スーパー」が急拡大

2018.02.26
 

オープン以来の人気の商品は、自宅で本場の味を、焼き立ての状態で食べられる「クロワッサン」(10個入り843円、税込・ECショップ、以下同)。生地に発酵バターを使っているので、香りが高くコクがある味わいだ。クリスマスのようなパーティーシーズンには、「サーモンのパイ包み焼き」(6皿分3,219円)や「食いしん坊のミニエクレア」(12個入り1,599円)など、写真映えする商品がよく売れる。最近は、野菜の価格高騰もあり、料理の素材となる野菜がヒットしている。

ピカール 食いしん坊のミニエクレア

ピカール 食いしん坊のミニエクレア

従来の冷凍食品のような、安価なものではなく、食生活を華やいだ雰囲気にしてくれるそれなりに単価を取る商品が揃っている。一方で、従来のフランス料理のイメージにある、こってりした濃厚な味付けではなく、全般にカロリー、塩分、糖分は控えめのヘルシーな料理となっている。

顧客層は幅広いが、料理をする機会が多い女性男女を問わずトレンドに興味がある人食にこだわりを持っている人が主流。週末には家族連れが増える。平日の青山骨董通り店では午前中は近隣住民、夕方以降は仕事帰りの人が増える。ショッピングや観光の流れで立ち寄って購入していく人も多い。

外国人の顧客が一番多いのは、麻布十番店となっている。麻布十番店は土地柄、外国人が多いこともあるが、イオンの子会社ビオセボン・ジャポンが経営する、フランスで100店舗を展開するオーガニックスーパー「ビオセボンの日本1号店に併設しているのも、外国人顧客が増える要因となっている。

現在のところ卸売を行っていないので、飲食店の関係者がどの程度購入しているのかは不明だが、「品質の良さは料理のプロからも評価をいただいている」(イオンサヴール・広報担当者)と、業務用途の拡大にも自信を見せている。実際、フランスの「ピカール」の店舗には、日本から多くの冷凍食品やコンビニ、スーパーの関係者が視察に訪れており、商品開発のヒントにしていると言われてきた。また、フランスでは「ピカール」商品をホームパーティーのみならず、レストランでも活用するケースがあるという。

日本限定で販売している商品はなく、輸入の規制が厳しい肉類の「スパゲッティ ボロネーゼ」、「鶏肉のソテー レモン風味」など一部は国内で製造している。オーブンを使わなければできない「クロワッサン」、人気のスイーツ「モアローショコラ」のような商品も多数あるが、今まで使っていなかったオーブン機能を使ってみたら意外と簡単で便利だったといった、消費者の声も寄せられている。オーブン電子レンジフライパン蒸し器などを組み合わせて、幾つかの料理を同時に調理できるのも、「ピカール」の魅力の1つである。

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