ロボットの存在が大きくなった今こそ考えたい。人間とは何か?

 

近い将来、ロボットの活用が当たり前になる時代が来ると予測されていますが、「人間の仕事がロボットに奪われる」「人間社会を乗っ取られる」という少し物騒な予測をする識者もいます。そもそも、人間とロボットの違いは何なのでしょうか。無料メルマガ『人間をとことん考える(人間論)』の著者で臨床心理にも詳しい薬剤師の小原一将さんが、哲学的視点で考察します。

ロボットの存在から見えてくる人間

ロボットが登場し、そのロボットに人間並みの頭脳が搭載されるかもしれないという現在では、逆にそれらの出来事によって人間とは何かが再考されているように感じる。

人間だけしかいない世界や、人間と動物だけが共存する世界ではあまりそういった議論は一般的ではなかったのかもしれない。ロボットという人間に匹敵する存在が現れたことによって「人間とは何かということが取り上げられやすくなった。

たいていの場合、人間は創造力がありロボットにはそれがないといった話の展開になる。もしくは知識の集積や情報処理ではもうロボットにかなわないという話もよく聞く。つまり、ロボットはまだ人間ほどの思考はできないが、単純な作業であれば人間よりも優れているとなる。ここで私は疑問に思った。人間の方が偉いという前提?

私も含めてかなりの人数の人達がロボットはまだ人間に追い付いていないと考えているだろう。だがその考え方自体がおかしいように思える。人間がロボットより高次の存在であると定義づけられているわけではない。

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