塚田農場の売上減が止まらない。既存店45ヶ月連続割れの悲しき要因

2018.03.05
 

佐藤可士和プロデュースの新業態で起死回生なるか?

そして同社は、ヒットメーカーで知られるクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏プロデュースする新業態焼鳥つかだ」を開発。3月16日、東京・中目黒に1号店をオープンする。

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詳細は15日に開催される予定のリブランディング発表会により、エー・ピーカンパニーの米山久社長、佐藤氏の両名より語られるという。新ブランドとして「つかだ」が生まれ、劣化した塚田農場」の店舗は「つかだへの転換がはかられる。

中目黒「焼鳥つかだ」は、14年11月より営業していた「塚田農場」の店舗を閉めて改装した。

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米山久社長のFacebookより

 

佐藤氏は、消費者に飽きられつつあり、もう4年近くも1店舗あたりの売上が減り続けている「塚田農場」を、リブランディングするミッションで招かれた。宮崎県産地鶏「みやざき地頭鶏」を焼鳥として提供する新しいスタイルの店として、「焼鳥つかだ」を提案する模様だ。

佐藤可士和氏には、「塚田農場」から「やきとりスタンド」、「やきとりスタンダード」への転換が事実上、失敗した後に、どんな手を打ってエー・ピーカンパニーを再生させるかという、たいへんな難題が課せられている。

今治タオルを立て直し、セブンカフェをヒットさせた実績

佐藤氏はクリエイティブディレクターとして、ブランドコンセプト、デザイン、CIなどを手掛けるが、過去にも生産高が5分の1にまで落ちた、愛媛県今治市の地場産業「今治タオルを立て直した実績があり、業種は違っても地方創成案件のソリューションには自信を持って取り組まれたのではないかと推測する。

また、「ユニクロ」、「楽天市場」のロゴのみならず、昨年には外食大手のDDホールディングスがダイヤモンドダイニングから社名変更した際のロゴデザインも手掛けている。その際には、飲食業に関する知見も得られているので、その経験も生きてくるだろう。

佐藤氏の最も成功したリブランディングの成果に、「セブン-イレブン」の100円コーヒー、「セブンカフェ」がある。「セブン-イレブン」では何度か淹れ立てコーヒーのサービスにチャレンジしては失敗を繰り返していたが、「セブンカフェ」は13年より導入されると大反響を呼び、今や年間10億杯が飲まれるメガヒットとなっている。

「焼鳥つかだ」は佐藤氏にとって初の飲食店プロデュースになるが、「セブンカフェ」のような一発逆転が起きるか。注目される。

焼鳥つかだのコンセプトは大人への入口」となる模様で、若い人たちに地鶏の良さをアピールする店になりそうだ。地鶏は肉質が硬く、焼鳥に向かないとされてきたが、つくねにするのか、それとも常人には思いつかない妙案があるのか、楽しみだ。

河野俊嗣・宮崎県知事(中)を訪問した、米山久社長(左)、佐藤可士和氏(右)。米山久社長のFacebookより

河野俊嗣・宮崎県知事(中)を訪問した、米山久社長(左)、佐藤可士和氏(右)。米山久社長のFacebookより

米山社長のFacebookには、「焼鳥つかだ」の内装と思しき写真、佐藤氏と2人で河野俊嗣宮崎県知事を表敬訪問した際のスリーショットなどが掲載され、期待の高さが伝わってくる。

氏がいかなる魔法をかけるのか。「焼鳥つかだ」のオープンが楽しみでならない。

image by: Trip Adviser(塚田農場 イオンモール幕張新都心店)

長浜淳之介

プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

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兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

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