炎上の「素手でトイレ掃除研修」では絶対に磨けぬホンモノの人材

 

現在の日本企業は、人口減による市場縮小、リスクの取れるマネーの枯渇からくる資金不足という問題を抱える中で、リストラに次ぐリストラを重ねてきています。そんな中で、現場の人々は「できる工夫は何でもしている」し自分の責任範囲では一生懸命頑張っていると思います。

その一方で、日本の社会では「金を出す方が偉い」という消費者は王様といった考え方が、常識を逸脱するぐらいに拡大しています。ですから、現場の営業部隊などは、そうしたカルチャーの中で、取引先のクレームに対して「握りつぶす」とか「忘れてしまう」などという自由はありません。それは、この会社も同じだと思います。

そんな中で、この会社を含めた多くの日本の現場で「逃げたくなるような問題」がどこにあるのかというと、それは顧客などの外部対応ではなく、内部、具体的には自分の上司との対応になるのだと思います。

例えば、「市場でよくない動きが出ているのだが、上司の耳に入れると気分を害したり自分の責任にされる」ので、もっと露骨な動きになるまで黙っておこうとか、売っている製品にスペック不足があるようで、一部の顧客には気づかれているが、「今の社長は技術出身なので営業の自分が品質について悪く言っても聞いてもらえそうもない」ので、他の営業マンが報告するまで様子を見ようというような状況です。

本当は、そんなことではいけないのです。本当に会社の将来を大事にするのであれば、あるいは本当に自分の営業テリトリーで立派な業績を数年後まで維持したいのであれば、「問題から逃げず」に「強い心」を持って上司に、あるいは経営陣に訴えなくてはなりません

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