いまだ途上にある軍機構改革
【読売】は1面トップに関連記事が2面と3面、7面。政治活動報告の要旨も7面に。見出しから。
1面
- 習氏「一極体制」確立へ
- 全人代開幕 軍拡路線 鮮明に
2面
- 経済 目先より中長期
- 成長目標維持 財政健全化 強調
3面
- 中国軍拡 米揺さぶる
- 新兵器次々 力関係に変化
- 軍事費8.1%増
- 軍機構改革は途上
7面
- 主席任期撤廃 正当化
- 習政権 キャンペーン展開
- 「台湾統一」推進を強調 李首相
uttiiの眼
1面トップの記事で特に強調されているのは、「軍拡路線」。軍事予算の対前年比伸び率は一桁台だったが、それでも経済全体の成長率より大きく、軍拡路線が改めて確認されたという理解。集団指導体制の改変については、以下のようになっていて、正確な書き方を心掛けているのが分かる。
「党は、毛沢東の個人独裁の反省から最高指導者の権力に制限を設け、最高指導部・政治局常務委員7人の合議を原則とする集団指導体制を維持しているが、制限の一環だった国家主席の任期が撤廃されることで、同体制は形骸化に向かう」と。
軍拡の強調は、3面の解説記事「スキャナー」に及ぶ。目を惹くのは新兵器について。まずは原子力空母。海軍は20年までに3個空母打撃群の配備を計画しているらしい。あとは第5世代のステルス戦闘機、長射程の空対空ミサイル、そして核弾頭10個搭載の大型ICBM。
新兵器は続々誕生しているようだが、「軍機構改革は途上」だという。昨年、国防省は2年に一度の国防白書公表を見送っていて、その原因は「改革の成果が公表できる段階に至っていない」からではないかと推測している。習政権は今年になってから、全軍に実戦訓練の徹底を繰り返し指示しているのだそうで、統合運用の問題も合わせ、戦える軍隊になるためには、まだまだその途上にあると考えられているようだ。シャカリキになってハード面を整備しているが、ソフト面はまだまだ、ということだろう。