トランプ金正恩会談「ダマされるから会うな」が大間違いな理由

 

「圧力派」日本の目標はなんだったのか?

北朝鮮核問題については、二つの陣営にわかれていました。すなわち、中国、ロシアの「対話派」。日本、アメリカの「圧力派」。

圧力派は、これまで何をしてきたのでしょうか? 北が、核兵器実験や、ミサイル実験をする。圧力派は、国連安保理に「制裁を強化しよう!」と提案します。中国とロシアは、「アメリカの制裁案は厳しすぎる!」といって修正を要求する。そして、結果的に修正された制裁決議が通り、ゆっくり制裁が強化されてきた。そんな感じですね。

で、圧力派の目標はなんなのでしょうか? このまま制裁を強化しつづけ、北朝鮮を暴発させること? そして、戦争を開始して、北朝鮮という国を世界から消し去ること?

そうではないですね。圧力派も、対話には賛成だったのです。しかし、対話開始の「前提条件」を掲げている。それは、何でしょうか? そう、「金正恩が、核兵器放棄(非核化)の意志を示すこと」です。

一方、北朝鮮は、「前提条件なしの対話」を要求していた。これだと、「北朝鮮を核保有国として認めろ!」という交渉になりかねない。だから、圧力派は、「北が非核化の意志を示すまで圧力をつづける」としてきた。

では、金は対話開始の条件である「非核化の意志「を示したのでしょうか? 毎日新聞3月9日から。

韓国大統領の特使として訪朝した鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は8日、ホワイトハウスで記者会見し、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の訪朝要請を受け入れ、5月までに米朝首脳会談に応じる意向を示したと明らかにした。ホワイトハウスは時期や場所は未定とし、「2、3カ月以内」に会談すると説明した。金委員長は韓国政府の特使団に対して「非核化の意思」を示し、核・ミサイル実験の「凍結」を約束したという。

金は、韓国の特師団に「非核化の意思」を示した。これは、「圧力派の目標が達成された」ことを示しています。それで、

<トランプ氏は発表直後、「金正恩は(核開発の)単なる停止ではなく、非核化について述べた。この期間は北朝鮮によるミサイル実験も行われない。大いなる前進だ。ただ、合意に至るまでは制裁は続ける。(米朝)会談は実施される予定だ!」とツイートした。>

トランプは、金が「非核化」の意志を示したので会うことにしたと語っている。論理的には当然といえるでしょう。そして「合意に至るまで制裁はつづける」。こちらも当然ですね。

print
いま読まれてます

  • トランプ金正恩会談「ダマされるから会うな」が大間違いな理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け