声をかけられたくない客を接客する、プロ店員の「神対応」術

 

なので、もう1つの選択肢というのは、完全に信頼して任せてもらえる関係性を作るという選択肢になります。基本的に私の場合は、この関係性を目指します。どういうことかわかりにくいと思うので、細かくご説明しますね。

そもそも声をかけられたくないお客様の心情は、「自分で選びたい」「邪魔をされたくない」といった心情です。ですが、これは、信頼できる販売員がいないから起こってしまう感情なんです。

声をかけてきても、別に求めてもいない情報しか出さなかったり、会話をしても面白くもなんともなかったり、商品を選んでもらっても、自分のニーズとはかけ離れた商品しか持ってこなかったり。そういう接客をされるくらいなら、邪魔をされずに自分で選びたくもなりますよね。

しかし逆に、求めている情報を教えてくれたり会話をすればとても楽しい時間が過ごせたり自分の本当に欲しい商品を提案してくれるような信頼できる販売員がいれば、お客様は何のストレスもないですし、買い物も楽になります。場合によっては、自分が想像もしていなかったような新しい世界が見れる商品との出会いがあるかもしれません。要は、それができる販売員であれば、あまり接客をされたくないという感情は生まれないということです。だから、私はまず、その関係性作りを目指します

とはいえ、これはものすごく難しいことなので、そのために、様々なことを学んでいるのです。第一印象が悪ければ、確実にできない話なので、まず第一印象を良くするためにどうするか。最初の声かけの時点で、誰でもできるような声かけをすると、お客様に避けられるので、「おっ?」と思ってもらえるような声かけをするにはどんな動きや言葉が使えるか。しっかり観察して適切なタイミングで説明ができるように、お客様の動きをどう観察するべきか。質問攻めにならないように、会話の中にうまく質問を織り込んでいくためにはどうするべきか。会話そのものを楽しんでもらうためには、どんな言葉遣いや、しゃべりの技術が必要か。お客様が自ら「欲しい」と言ってくれるような価値の伝え方はどうすればいいのか。

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