家賃2カ月滞納で地獄。サラ金より怖い保証会社の悪質な取り立て

 

賃貸保証会社大手のNS

このNS社について調べてみると、かなり強引な手段で取立てを行うことで各所でトラブルを起こしていた。

Aさんが受けたケースは、よくある被害ケースのようで、これが横行していると考えるのが妥当だろう。

不動産管理会社と新たなビルオーナーに話を聞くと、「鈴木」という男性にはあったことがなく、トラブル時に初めて顔を合わせたとのことであった。また、その後謝罪に来た営業マンは、部課が異なり、会ったことはないということであった。

ただ、オーナーらは営業マンから、賃貸保証会社には、取立て専門の部や課は通常存在するもので、貸金業のような強い規制は受けないため、強引な取立てはしばしば起きるという話を聞いていた。裏を返せば、強い取立てができるということは、賃料の取りっぱぐれはほとんどないわけだから安心ですということらしい。

オーナーからすれば、それはありがたい話ではあるが、強引な取立てが元で争いが生じたり、妙な噂が立って、借り手がつかないなど、自制を求めたということであった。

今回の件は、肝心のオーナーが了承しており、賃借人に何の落ち度もない。賃貸保証会社が暴走した、ただそれだけなのである。

一体どうなっているのだろう。

私はNS社に直接問い合わせてみたが、答えは予想通り、「個別の案件には答えられない」の一点張りであった。

一方で、担当者鈴木について調べてみた。

鈴木氏は、Aさんからの電話は着信拒否をしているが、別の電話からだとあっさりと電話に出た。名前は確かに鈴木であり、身分は契約社員だということだった。

今回の件で、マンションオーナー企業から本社にクレームが入り、その責任を取って、現在謹慎中とのことであった。

内情を聞くと、取立てマニュアルは内部にあり取立てのトレーニングのようなことはするのだそうだ。今回は、そのマニュアルに沿っただけであり、この取立て方法はNS社の推奨的取立て方法であると不満げに話していた。

マニュアルには、一旦訪問してから不在もしくは居留守であれば、警察官もしくは管理人に「賃貸保証会社であると名乗る」「賃料未納で連絡も取れない状態である」「何かの事件に巻き込まれたとか室内で自殺病死している可能性もある」と申し出て、立会いを要請する。

とあるそうだが、トレーニングでは、マニュアル通りでは逃げられるから、できれば交番に行って警察官に焦った様子でまくしたてるように、部屋で死んでいるかもしれないと話して同行してもらえば、管理人などは容易に合鍵を出すと教わったそうだ。

「絶対に取り立てる」というような張り紙を玄関に貼ったり、居ない間に鍵交換をするなどは、追い出し行為でのちに裁判を起こされると負けるので、現在はこの手段は用いないんだそうだ。

テレビで見るような玄関に「借金返せ」とか「出てこい」というような張り紙をされたというのは、ネット検索でも散見していたが、今はしないとトレーニングで教わっているのなら、それこそ、とんでもない社員教育をしていると言える。

さらに、鈴木はこう続けた。「そもそも、保証契約時に、取立ての際は、部屋に勝手に上がることには、みんな承諾していることになっているんです。保証を受けているのは、その借主なんですから、その代理権も委任されていることになっているわけです。どうせ、日本人は契約内容を読みませんし、読んでも理解しませんから、堂々と小さい字で書いておけば、申し込み氏名にしっかりと、承諾しますってサインをするわけです。嫌なら保証会社がつかず、借りられないだけですから、みんなサインするんですよ」

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