イギリスは、スクリパリの娘で挽回を目指す?
ちなみに、スクリパリの娘ユリアさんは、回復し、話もできる状態だそうです。彼女の証言が注目されます。しかし、常識的に考えて、彼女は「何が起こったのか?」「誰が殺しを指示したのか?」知らないでしょう。ですが、スクリパリさんは、ロシアを裏切りイギリスの諜報と通じていた。プーチンは、裏切り諜報員について、過去に「豚野郎!」といったり、裏切ったことを「1,000回後悔するだろう!」と語ったことがある。ユリアさんの脳裏に最初に浮かぶ「犯人」は、間違いなくロシアでしょう。それで、ユリアさんは、「反プーチンの広告塔」として、イギリスに重宝される可能性が高いです。
ところで、真犯人は誰なのでしょうか? そんなことは、わかりません。もしその辺の評論家が、「あれは絶対イギリスの自作自演です」とか、「あれは間違いなくプーチンの仕業です」と断言しているなら、それは「知ったかぶりしてるだけ」といえるでしょう。ただ、「イギリスとロシアの関係は、メチャクチャ悪い」ということはわかります。そして、イギリスは現状24か国を味方につけ、ロシア孤立化にかなり成功している。
1939年8月、平沼騏一郎総理は、「欧州の天地は複雑怪奇!」と絶叫して辞任しました。日本の首相は、第2次大戦がはじまる1カ月前に、「欧州で何が起こってるか、さっぱりわからんぜ!」と告白している。そんな人が国のトップであれば、日本は負けるに決まっています。
「世界情勢が理解できず、翻弄されて、また大敗北」とならないよう、欧米とロシアの情勢もきちんと把握しておきましょう。
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