楽天を甘やかすな。「第4のキャリア」認可に課せられた厳しい条件

 

楽天が携帯電話事業への参入を表明して数ヶ月が経つが、いまだに「なぜ、イチから参入するのか。いまから全国に基地局を敷設するメリットが全く見えない」というのが正直な感想だ。

MVNOとしての限界を感じているならば、IIJのようにHLR/HSSを構築して、自社でSIMカードを発行したり、料金体系を自社で構築した方がよっぽど効率的にオリジナルサービスを作れるのではないかと思う。現状、IIJは音声通話サービスを提供できていないが、それでも、交渉次第では何とかなるのではないか。

楽天は今回の携帯電話事業参入に6,000億円の初期投資を準備している。一方で、IIJがHLR/HSSを構築するのに設備投資は30億円を計画していた。

楽天とIIJの投資額は200倍もの違いがある。それで、やれることは大差ないが、片方はイチから全国に2万以上の基地局を設置しなければならない。一方はすでに全国でネットワークを網羅済みだ。もちろん5Gへの移行もスムーズだろう。

三木谷浩史社長は「4Gしかやらないから勝算はある世界で第4のキャリアは成功事例は多い」と語るが、HLR/HSSを自社で構築するという方法を検討したことはなかったのだろうか。

 

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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