人手不足の保育園を闇に染める「補助金不正受給」の実態

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依然として決定的な解決策が見出せない待機児童問題ですが、子供たちの受け入れ先である認可保育園の中には、悪徳業者顔負けの事業主も存在するようです。今回のメルマガ『伝説の探偵』では著者で現役の探偵である阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、とある保育園で起きたパワハラ問題の調査中に掴んだ、園長主導の「補助金詐欺」の実態を詳細に記しています。

園内で起きた被害労働者をパワハラして、さらに解雇する保育園の闇

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虚偽理由による不当解雇

ある保育園で起きた、保育士による嫌がらせを目的とした窃盗事件が発生した。無事に犯人が被害者に自白したのも束の間、被害者のパート職員A子さんは、事件を隠そうとした園長からパワハラを受け、経営難という虚偽の理由で事実上の解雇を宣告された。

実際のところ、経営はどの資料を比較しても順調である。

A子さんは予告通り不当解雇となった。その上で、R保育園は無資格のパートさんを募集している。もっとも現場に慣れていたA子さんを欠いて、勤務する保育士さんらは不安に満ちている。

それを知ってか知らず、当のパワハラ園長は上機嫌だ。

パワハラ事情の一端

最近のパワハラ事件を見れば、多くのパワハラ事情が見えてくる。例えば、日本レスリング協会の強化本部長栄監督のパワハラは認定されたが、それまではなんと言っていたか。

日本レスリング協会の会長は「パワハラないと否定していた。至学館大学谷岡学長は記者会見まで開いてパワハラを否定した。

近くで見ていたであろう栄氏の上司にあたる人物らは、そんなものはパワハラではないと考えていたのだ。

パワハラとは、加害者側の意識の低さも大きな原因なのだ。

現実になんの非もなく、一方的に被害者であったA子さんは勤務継続の意向であったのに、これを無視して不当に解雇したことには理由がある

勤務保育士は金になる

私はそれをこの保育園で幽霊事務員をしているM氏から情報を得た。彼は、2月に1度しか出勤していないのに、出勤簿では皆勤賞になっている。ちなみに、窃盗犯である保育士NもR保育園に在籍していることになっており、ほぼ皆勤賞になっている。

出勤簿はY園長の管轄になっており、保育士らによれば、Y園長がこの出勤簿を改竄していたのだ。

なぜ、こんなことをする必要があるのか。

それは保育園が申請し受けることができる多額の助成金や補助金を得るためであった。M氏は出勤簿が改竄されている事実をぶつけると、私にこういった。

M氏 「そんなことまで調べたの。そうだね。出勤はしてないよ。できるはずもないんだよ。私は他の仕事をしているからね。もう辞めるんだよ。あの保育園は不正ばかりだからね」

阿部 「書類は全てあなたが作っていますよね?」

M氏 「手を動かすのは私だよ。というより、点検をする感じだね。やっているのは、Y(園長)さんだよ。有資格の長期パートさんは、常勤扱いにしているし、区から出ている保育士への家賃補助なんかはほとんどピンハネしているよ。他にもあるんだけど、私の口から言えないね」

保育士Nが移籍している系列保育園に勤務する保護者らに話を聞くと、R保育園の出勤簿は、移籍先での出勤と連動しており、その出勤とは正確に一致していた。

ただ、ここでも4月から別の保育園に研修に行くという話になっていた。

A子さんの不当解雇に伴い、訴訟リスクがあるからと、R保育園やその後の移籍先を突き止められてしまったため(A子さんには責任をとって辞職していると告げていたが示談勧告をした弁護士が口を滑られせてしまった)再び辞職していることにするために、さらに他の系列保育園に移籍させることにしたのだ。

その先は調査によって、認可保育園であるS保育室であると明らかになっている。

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