なぜ、日本の保守派は未成年への「性教育」を妨害し続けるのか?

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日本の「保守派」を自認する高齢者や支持層は、なぜ若年層への「性教育」について「妨害」とも取れる態度を繰り返しているのでしょうか? そこにはいったいどんな心情ないし理論があるのか、アメリカ在住の作家・ジャーナリストの冷泉彰彦さんは自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、日本の保守派が未成年への性教育を妨害し続ける「闇」について分析しています。

日本の保守派はどうして性教育に反対するのか?

勿論、性的な経験や妊娠出産が早すぎることは望ましくはありませんが、少なくとも子どもが性に関する正しい知識を得るというのは必要なことです。例えば、日本の場合は現状の法制では「性交同意年齢」つまり、同意をしていれば自主的な行動とみなされる年齢というのは13歳だとされています。

ということは、反対に13歳までに自分の身体を守るための最低限の知識と理解をさせておくのは社会的な義務であると言えます。また、本来なら、子どもの性的成熟は、祖父母になる世代にも自身の子孫を残す可能性を発生させることですから、本能的にはプラスなはずです。

ですが、日本の保守派、特に高齢層とその票に依存している政治家などは、執拗に性教育への妨害を続けているわけです。種の保存本能よりも、あるいは子どもを守るということよりも、子や孫の成熟を否定したい心情が優越するというのには、社会的な病理を感じざるを得ません。そこには一体どういった心情ないし論理があるのでしょう?

一つ考えられるのは、いわゆる保守系の親世代祖父母世代は「子どもを成熟させると、手の届かないところへ逃げていってしまう」という「依存先を喪失する不安」を抱えているという問題です。子どもを「無垢な状態に置いておきたい」というのも同じことではないかと思います。子や孫が成熟するということは、次世代の核家族を構成する準備に入ることであり、大家族の頂点に立って構成員に依存したい高齢者に取っては、身体的な部分で許容できない心情があるのだと思います。

更に言えば、子供や孫を依存先として囲い込みたい、性的に成熟して自立し自分から離れていくのが許せないという心理に加えて、若い時に性的に抑圧され禁欲を強いられた」マイナスの経験が「自分の一部」のように感じられて、そうした「虐待の連鎖を行うことで心理的なプラスマイナスを埋めたいという病理もあるのかもしれません。

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