米国が仮想敵ナンバーワンの中国を地経学的戦争で攻めきれぬ理由

 

先日掲載の「米中貿易戦争で世界のGDPは1.4%下がるが、日本はもっと下がる」の中で、「習近平氏が開いた終身国家主席への道が貿易戦争開始の一つの要因の可能性」という私見を記した、国際関係アナリストの北野幸伯さん。今回は自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』に読者から寄せられた質問に答える形で、アメリカにとって「終身国家主席問題」がどの程度重要なのかについて解説しています。

習「終身国家主席」と「米中貿易戦争」

読者のSさまから、質問が届いています。

北野様

 

Sと申します。毎回、興味深いテーマについて、超分かりやすい解説をありがとうございます。「米中貿易戦争、日本への影響は?」について、質問が2つあります。北野様のご見解をお聞かせいただければ幸甚です。

 

米中貿易戦争の一つの要因が、習近平の「終身国家主席」への道であるとの見立て、目からうろこでした。

 

トランプは貿易不均衡について、選挙期間中から言っていた(と思うのですが)ので、この貿易問題を終身国家主席問題へのカウンターとしてぶつけているとの認識が全くありませんでした。トランプは終身国家主席問題が無くても、いずれ貿易戦争を仕掛けていたと私は思います。

 

分からないのは、私の考えでは、本件がカウンターであっても、トランプにとっては貿易戦争が主で終身国家主席問題が従であり、単なる貿易戦争開戦の契機に終身国家主席問題を利用した、となりますが、北野様の見立ては、終身国家主席問題が主、貿易戦争が従と読めます。

 

ビジネスマンのトランプにとって終身国家主席問題がそんなに大ごとなのかな? と言うのが私の感想なのですが、トランプ(=米国?)にとって、終身国家主席問題が貿易戦争より大ごとだ、と考えられる部分を解説して頂きたいです。

お答えします。

「終身国家主席問題」は、アメリカにとってどの程度重要なのでしょうか?

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