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NTTドコモが「マンホール型基地局」を2018年度に実用化━━都心部ネットワーク競争はついに「地下」に突入

4月11日、NTTドコモは国内初となるマンホール型基地局の試作機を開発したと発表した。すでに北海道札幌市で実証実験を行い、今後、沖縄県南城市、東京都渋谷区で検証した後、2018年度内の本格運用を目指すという。

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NTTドコモ報道発表資料より

マンホール型基地局は、直径70センチ深さ70センチの穴を開け、基地局を設置。地中から光ケーブルと電気を供給し、深さ10センチのところにあるアンテナから周辺に電波を吹くという。電波の到達距離半径90メートル高さは15メートルほどになるとのことだ。

気になる工事費用は「スモールセルの基地局を設置するよりも、少し高い。1000万円を超えない程度」(NTTドコモ関係者)とのことだった。

ちなみに、マンホール型基地局は、すでにスイスで実用例があるため、NTTドコモの基地局は「世界初」ではなく「国内初」ということになる。

やはり、都心部となると、すでにビルの屋上に基地局を設置できるスペースはほとんどないというの実情のようだ。また、ビルの側面に基地局を設置するというのも、景観や耐震性の問題もあり、難しいとされる。

NTTドコモとしては、マンホール型の基地局を開発することで、基地局の設置が難しい都心部テーマパーク寺院スタジアム公園などに設置していくことを検討しているという。

ちなみに、すでに光ケーブルや電気が通っているNTT東西のマンホールを借りるかと思ったら、「自社でイチからマンホールを掘っていく」(NTTドコモ関係者)とのことだった。そのあたり、グループ内で融通し合うかと思いきや、まだ相談すらしていないようで、やはり、グループ内ではあまり仲が良くないという印象が残ってしまった。

NTTドコモがネットワークの説明会を開催したと言うことで、せっかくなので「NTTドコモも電力会社から設備を借りて基地局を設置していたりするんですか」と聞いてみた。

すると「NTTドコモでも借りている場所はある。しかし、電力会社の鉄塔なので郊外がメイン」とのことだった。

ちなみに、電力会社の鉄塔の場合、電気は来ているものの、高圧線であるため、基地局を動かすには別の電力が必要とのことだった。鉄塔を使うと言っても、実用性はあまり高いものではないらしい。

今後、都心部でのトラフィックがさらに増加する中、NTTドコモはマンホールを掘って基地局を増やす奇策に出ようとしている。

先週、ついに楽天にも電波が割り当てられたが、NTTドコモのように地下を掘ってまでエリアを整備する覚悟はあるのだろうか。

image by: Shutterstock.com, NTTドコモ

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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