妻は大丈夫?専業主婦でも年金保険料を納めなくてはいけない理由

 

※注意

なぜ44ヶ月+384ヶ月=428ヶ月で計算せずに410ヶ月なのかというと、国民年金からの給付である老齢基礎年金は20歳以降の期間から含める。この妻は20歳前からの期間が18ヶ月あるから老齢基礎年金の計算から省く。

・老齢厚生年金(報酬比例部分)→20万円÷1,000×5.481×44ヶ月=48,233円

また、国民年金は20歳から60歳までという縛りがあるが、厚生年金は70歳までの全体の期間で見るため、この期間の差額を埋めるための「差額加算(経過的加算)」という給付を老齢厚生年金に加算する。

・老齢厚生年金(差額加算)→1,625円×44ヶ月-779,300円÷480ヶ月×26ヶ月(昭和36年4月以降20歳から60歳前月までの厚生年金期間)=71,5007円-42,212円=29,288円

よって、妻の65歳からの年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分48,233+差額加算29,288円)+老齢基礎年金665,652円=743,173円(月額61,931円)

なお、この妻は昭和41年4月1日以前生まれで、配偶者である夫に配偶者加給年金が付く人(厚生年金期間20年以上等)だから妻が65歳到達時に振替加算年額15,028円(妻の生年月日に応じての額)が老齢基礎年金に付く場合がある。振替加算は原則として終身。

なお、この記事では振替加算をもらうのは妻ですが、夫が逆の立場なら夫でも振替加算が貰える。妻でないと貰えないわけじゃない。

振替加算額(日本年金機構)

image by: Shutterstock.com

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
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