『「気づき」の幸せ』30万部や、『幸せの絆』20万部など、大ベストセラーを数多く世に送り出し、自分の思うような人生を歩むためには「気づき」が必要だと説いた木村藤子さんが、有料メルマガ「“青森の神様 木村藤子” あなたに幸福をもたらすメールマガジン」のQ&Aコーナーで、「イライラの対処法」についてアドバイスされています。
イライラも、実は主観的な現象であると気づくところから
【質問】
イライラへの対処法を教えてください。
【木村藤子さんの解答】
ご質問ありがとうございます。人間生きていれば、必ずイライラする瞬間があります。この「イライラ」という感情が生まれる瞬間に自分の中で何が起きているのかを考えてみましょう。
私たち人間は、例えるなら受信機のような存在。五感(目、耳、鼻、口、肌)で自分の外の世界を認識した瞬間に(受信した瞬間)、自分の中に感情が芽生えます。感情にもいろいろありますが、どういった感情が自分の中で芽生えるかは個人個人の価値観、考え方、受け取り方によります。
価値観や考え方、受け取り方というものは人それぞれ違うものですが、それはひとりひとりの過去の体験が違うからです。価値観や考え方、受け取り方は過去の体験によって築かれていくのです。
そのようにひとりひとりがまったく違う受信機なのですから、同じ現象でも受け取り方は変わってきます。同じ映画を見ても、どう思うかは人によって違います。
何を当たり前のことを。と思われるかもしれませんが、これには真意があるのです。誰かと同じものを見たり体験しても、人によって感じ方が違うということは、外の世界から受信するものは絶対的なものではありません。
うなぎはおいしい。
そうかもしれません。しかし、「おいしくない」と感じる人もいますね。うなぎそれ自体には「おいしい」も「おいしくない」もありません。うなぎはうなぎ。ただそれだけです。感情というのは至極、主観的なものであって絶対的なものではないのです。
つまり、ご質問いただいた「イライラ」という感情。その感情は絶対的なものではありません。言ってみれば幻想なのです。勝手に頭の中で作り出した主観的な現象です。とはいえ、実際に「イライラ」しているのは間違いありません。いくら分析しようが何をしようが、「イライラ」していることに変わりはありません。
しかし、わざわざ「イライラ」にフォーカスする必要性もないのです。なぜなら、その感情はすぐに消えてなくなるのですから。過去を振り返って、自分が「イライラ」したときを果たしてどれほど思い出せるでしょうか。ほとんど思い出せないのではないかと思います。
それは当然のことで、「イライラ」は数十秒すれば消えてなくなります。何時間も、何日も、何週間も、何ヶ月も、何年も、何十年も「イライラ」は続きません。すぐに消えてなくなるものです。そのような感情に振り回される必要性などどこにもありません。「イライラ」したら冷静に自分を客観的に観察しましょう。
「あ、私イライラしてるな」
「でもこの感情はすぐに消えるんだよね」
そうやって、自分を上から見て観察するのです。そうしているうちに、気づけば「イライラ」は消えています。「イライラ」した感情は心地よいものではありません。なくせるならなくしたい感情でしょう。しかし、「イライラ」という感情があるからこそ、その逆のリラックスした状態があるのです。それが人間の世界の法則。すべては対になっているのがこの世界。すべては相対的なのです。
「イライラをなくしたい!」
と思う方は多いかと思いますが、そうした無理なことを考えること自体が「イライラ」を誘発させます。感情は寄せては返す波のようなもの。突然、発生したかと思えば、突然消えてなくなる無常なもの。そうした人間の原理を理解するだけでも、感情は安定するでしょう。