なぜ「徹夜」はカラダに良くないのか?科学者が明かす納得の理由

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徹夜は睡眠のリズムを崩し「寝れない、途中で目が覚める、寝が浅い」といった自覚症状や、さらに「自覚のない睡眠障害」を引き起こすようです。今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では、著者で科学者のくられさんが、眠気のメカニズムと徹夜との関係、さらに別の病気を発見するかもしれないポイントについて詳しく解説しています。

徹夜が体によくない理由

徹夜をすると体に悪いとは良く聞きますが、なんででしょう

それは睡眠の構造から起因しています。眠気のメカニズム自体はじつは完全に分かっているものではなく、断片的な部分が分かっているに過ぎませんが、大きく分かっているのが1つ。

サーカディアン制御ホメオスタシス制御、つまりは、体内時計に由来するもの、恒常性に由来するもので制御されているということです。

サーカディアンリズムと言われるように体内時計では一定の時間になると休息を取るようにそもそも働くように出来ています。これは時間で分解するホルモンなどを使って体内時計をコントロールしています。

もう1つのホメオスタシス。恒常性は正常な機能を保とうとする体の機能です。例えば、疲れた神経を休ませるためにシャットダウンさせようという働きで、神経が過剰に興奮したりしてダメージが蓄積されると、回復させるために働きます。

一見同じ働きに見えますし、普通に昼間働いて、疲れて帰宅してごはんを食べてリラックスをしたら眠くなってくる。本来のリズムです。

しかし、徹夜をして仕事が次の日の昼間に終わったとすると、サーカディアン的にはまだお昼なので寝るモードではなく、ホメオスタシス的にはダメージがあるから眠らせたい…ということで双方の意見の食い違いが発生するわけです。すごく疲れて眠いのに眠れない…というのはここから来ています。

こうした睡眠リズムを無理やり崩す生活をしていると睡眠障害というカタチで眠り自体に障害がでてくることがあります。

寝れない、途中で目が覚める、寝が浅い…これは、自覚があるので分かりやすいですが、自覚のない睡眠障害も存在します。例えば、肥満や筋力低下からの舌根沈下、さらには他の内分泌系疾患諸々、そうした病気が原因で睡眠自体が自覚無しに悪化していることもあります。

どうにも取れない倦怠感や集中力の低下からのケアレスミスの増加、今まで感じなかったことに妙な緊張を覚えて前後が分からなくなったり、体温が急に上がったり下がったりと…症状は様々。

そうした不具合が1ヶ月以上続くのであれば、それらは睡眠不足かもしれませんので、おかしいな…と思ったら、まずは病院に行きましょう(笑)。

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シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。

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【著者】 くられ 【発行周期】 週刊

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