増える中小企業の黒字倒産。モノづくりニッポンが町工場と共倒れに

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人手不足は叫ばれはじめて久しい日本ですが、中小・零細企業のそれは思った以上に深刻な所まで来ているようです。ジャーナリストの嶌信彦さんは今回、自身の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』で、「約半分が黒字なのに後継者がいないため廃業に追い込まれてしまう」という中小企業の現状を記すとともに、このまま問題を放置すれば新興国に抜かれる日が来るという現場からの警告を紹介しています。

中小企業が危ない 迫る中国・新興国

このところ、たて続けに4~5人の中小企業の社長さんに会った。いま残っている人たちはみんな元気だ。むろん資金繰りや後継者難人材育成などの悩みは抱えているが、これまでに一山も二山も乗り越えてきた人たちばかりのせいか、さほど暗い顔をしていなかった。少しは景気が上向いているということなのか。

痛くない注射針」などの製品を開発して業界では有名な岡野工業代表社員の岡野雅行さんは現在85歳。「会社はあと2~3年でたたむことになるんじゃないか」といい、痛くない注射針は医療機器大手が作れるよう技術継承を考えているという。社員は10人足らずだが、みんないい腕を持っているのでどこにでも働き口を見つけられると心配していない。自分も父の経営する金型工場から50年以上前にプレス加工の会社を設立し、他人のやらない仕事を開発してきた。

常に自分で新しい製品、技術などを追求していれば、たとえ数人の中小企業でも一国一城の主となって生きてゆけると信じてきたし、それを実行してきたという自負がある。

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