アマゾンに死角あり。大手スポーツショップに残された「勝ち目」

 

アマゾンの戦略

ご存知のように、アマゾンは1994年にネットでの書籍販売をはじめました。その後、わずか二十数年で年商15兆円を超える企業になったのです。

アマゾンは、もともと書籍だけでなく、すべての商品を販売ターゲットとしています。ですから、アマゾンマーケットプレイスでは、家電、玩具、日用品、事務用品、音楽、アパレルなど次々に取り扱い商品を増やしてきました。そして、その革新的な販売方法によって、市場を奪ってきたのです。そのため、大手チェーンが倒産に追いやられたと言われます。

スポーツ用品はどうでしょう。米国アマゾンでは、スポーツ用品の販売も伸びています。日本ではまだまだですが、じわじわとその脅威が迫ってきているところです。大手スポーツ店にとって、アマゾンの動きが気になるのは仕方がありません。

では、大手スポーツ店は、アマゾンに対抗できるでしょうか。正直に言って、私は難しい気がします

そもそも、アマゾンは普通の小売店ではありません。誰もが行っていない方法によって、顧客を取り込んでいます。

例えば、アマゾンプライム会員。世界の会員数は1億人を超えたそうです。その年会費だけで1兆円の収益になります。

ダッシュボタンによるリピーター購買の推進アマゾン・ゴーによる代金支払いの利便性アマゾン・エコーによる新しい消費行動の出現。さらには、アマゾンウエブサービスによるクラウドビジネスが、年商1兆円を超えたと言います。

もう小売の域ではありません。IT、データ、物流、コンテンツ、広告業界も侵略されているのです。

ですから、こんなお化けのような企業に、日本のスポーツ店が太刀打ちできるとは思えません。当面は、特定のスポーツジャンルやEC市場に切り込んで、売上を拡大することはできるでしょう。物流の合理化で事業利益を確保することもできます。

しかし、とうていそれだけでは、次の時代を切り拓くことはできません。では、どうしたら良いでしょう。

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