セブンが始める「ネットコンビニ」は、大コケの予感しかしない

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コンビニ業界の知られざる裏側を、内情に詳しいライターの日比谷新太さんがレポートする当シリーズ。前回の「大手コンビニチェーンの決算結果」に続き、今回取り上げるのはセブンイレブンが全国展開を目指している「ネットコンビニ」について。店舗数も右肩上がりで増え続けるなど、順風満帆な印象のあるセブンイレブンですが、今回の新サービスに関しては、さすがの日比谷さんも「血迷ったのか?」と感じたとのこと。一体どのような問題を抱えているのでしょうか。

セブンが始める「ネットコンビニ」とは

前回の記事でもご紹介した通り、直近の決算も増収増益と絶好調のセブンイレブン。コンビニ界における絶対王座の地位を着実に固めつつある同社だが、先日以下のような新サービスの発表を行い、業界内に大きな波紋が広がっている。

● 商品をスマホで注文 セブン「ネットコンビニ」展開(日本経済新聞)

セブン―イレブン・ジャパンは10日、店舗で販売する商品をスマートフォン(スマホ)から注文できるサービスの戦略を発表した。注文から最短2時間で自宅など指定した場所で受け取ることができる。2019年8月までに北海道内の全約1000店で展開し、19年9月以降に順次、全国の2万店超に拡大する。

このサービスだが、どう考えてもKFS(Key For Success、成功のための鍵)が見えてこない。むしろ、同社のこれまでの取り組みから考えると、失敗に終わる可能性の方が高いように思われる。以下にその理由を挙げていきたい。

過去にもあったオムニチャネル戦略の失敗

セブンイレブンといえば、過去にもオムニチャネル戦略を派手にぶち上げたことがある。2015年11月に本格始動した「オムニセブン」だ。

フランフラン(バルス社)との資本提携やバーニーズジャパンの買収などを行うことで、取扱商品の魅力度を上げ、それらがネット注文によって全国2万店のセブンイレブンで気軽に受け取ることができるという、まさにグループの力を結集する形で臨んだ「オムニセブン」。しかし、結果はご存知の通り大失敗に終わり、責任者だった鈴木康弘氏は退任に追い込まれた。

この時の失敗要因はいくつか挙げられるが、業界関係者ないし大半の加盟店オーナーが痛感していた問題点は非常にシンプルなもので、ズバリ「取り扱い商品が少ない」という点。実際Amazonや楽天などと比較すると、「オムニセブン」は全く勝負にならないほど取り扱い商品数が少なかったのだ。

そのいっぽうで、食材や健康にこだわった商品等を店舗近隣の住宅へ宅配する既存サービス「セブンミール」も、伸び悩みの状態が続く。

このサービスだが、とある加盟店オーナーが独自で行っていた、店舗近隣への御用聞きサービスがオフィシャルのサービスに昇華したもの。要するに、やる気のある加盟店オーナーが、更なる地域密着を進めるために始めたものであって、それを全国の店舗で実施するとなれば、相当な困難が伴うことは火を見るよりも明らかだったはずだ。

実際、当サービスが始動した後に、当連載でも再三取り上げている人手不足の問題が顕著に。配送は業者に委託することもできるが、費用を考えるとそれも現実的ではなく、現在では「セブンミール」の取り扱いをやめる店舗が続出しているという状況だ。

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