現役医師が警告。人間は「6時間睡眠」でもまったく足りていない

 

健康的な睡眠とは

睡眠が浅くて短くなるとさまざまな病気のリスクとなることがわかりました。しかし、だからといって、ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤などを服用することは勧められません。これらの薬は、睡眠を早めに導入してくれはしますが、睡眠の質を低下させます。長期に服用していると認知症のリスクが高まると言うこともわかっています。

大量飲酒はレム睡眠を抑える効果があります。つまり、クリエイティブなイノベーション的発想が抑えられてしまいます。研究者やビジネスマンにとっては致命的なこととなります。アルコール依存症の患者さんが、アルコールを中断したときに起こる禁断症状は、振戦せん妄と呼ばれています。これは覚醒しているときに、レム睡眠、すなわち夢を見るような幻覚に襲われる症状です。

睡眠の後半の最後の部分で、私たちの睡眠のほとんどがレム睡眠に入ります。8時間の睡眠時間の中では、最後の2時間がクリティカルなレム睡眠ピリオドとなります。そうすると、睡眠時間が6時間の人はこのクリティカルピリオドを味わっていないことになります。年齢を重ねても頭が硬くならないように、睡眠時間は8時間確保してでも睡眠を毎日味わいたいところですね。

文献

Matthew Walker. Why We Sleep. Scribner. 2017

image by: Shutterstock

ドクター徳田安春この著者の記事一覧

世界最新の健康医学情報について、総合診療医師ドクター徳田安春がわかりやすく解説します。生活習慣病を予防するために健康生活スタイルを実行したい方や病気を克服したいという方へおすすめします。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ドクター徳田安春の最新健康医学 』

【著者】 ドクター徳田安春 【月額】 ¥110/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第1〜4土曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 現役医師が警告。人間は「6時間睡眠」でもまったく足りていない
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け