【書評】ユニクロ潜入一年の記者が暴く、バイトらの悲痛な叫び声

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ユニクロを経営するファーストリテイリングの会見から締め出しをくらい、怒りのままにユニクロ店舗へのバイト潜入を決めた著者。柳井社長の言う「僕の悪口を言う人は、どういう企業なのか体験してほしい」という言葉を実行した結果は──? そんな潜入記を、無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長・柴田忠男さんが紹介しています。

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横田増生・著 文藝春秋

横田増生『ユニクロ潜入一年』を読んだ。『ユニクロ帝国の光と影』(文春文庫)に続く二冊目。2015年4月のファーストリテイリングの中間決算会見の当日、著者は同社の広報部長から、会見への参加は見合わせてほしいという電話がかかってきた。当日発売「週刊文春」の筆者記事「ユニクロ請負工場 カンボジアでも“ブラック”告発」に対する反応であろう。

ユニクロにとってまずいことを書く人物の口を封じるには、会見や取材から締め出すということだ。横田は激怒した。それならばこちらも考えがある。ユニクロの店舗にアルバイトとして潜入するのだ。横田の「天を衝く勢いである瞋恚(怒り)の炎」を原動力に、内部から剔抉(抉り出す)し、「暴君」の気持ちを翻すほどの調査報告を書いてみせよう。ああ、恐ろしい人をマジに敵に回してしまった。

「プレジデント」2015年3月2日号に弘兼憲史による柳井社長インタビュー記事があり、そこでは「悪口を言っているのは僕と会ったことがない人がほとんど。会社見学をしてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験してもらいたいですね」とあった。「この言葉は、私への招待状なのか」と感じた横田であった。

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