なぜ「自社推し・他社落とし」の営業では売り上げが伸びないのか

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せっかく来店していただいたお客様に、良かれと思って自社商品のセールスポイントを説明したのに、「またにするわ」と帰っていってしまう…、こんな経験、ないでしょうか。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、営業マンや販売員が、プロフェッショナルとしてお客様にいかに接すべきかについて記しています。

お客様にとってアドバイザーであること

とある洋服店で、「いつもと同じような系統にならないよう、違う系統のジャケットが欲しいわ~」と、新作ジャケットを買い求めにきたお客様がいたとします。このお客様が店内に入ってまず始めにすることはなんでしょうか?

ハンガーに吊られてズラッーと並んでいる商品の中から他には一切目をつけず、1つだけを取り出して、「これにしよう!」と決めるなんてことはないですよね。おそらくマネキンにコーディネートされたディスプレイを見てみたり、ハンガーに吊られてズラッーと並んでいる商品の中からいくつか気になったものを選び出すでしょう。

そして、選び出したジャケットを順々に羽織ってみて、鏡の前に立ち、着心地であったり、デザインや色、機能性、さらには価格などを見て、自分に合っているかどうか? を つ1つ確認し、比較してジャケットを吟味するでしょう。そうして、2~3着をピックアップした中から1つに絞り、実際に購入するからどうかを判断するはずです。つまり、お客様は購入をする前にまずは数ある商品の中から比較し選択するのです。

もちろんこれは洋服選びだけではありません。競合他社の商品やサービスと常に比較し、そのお客様にとって「自分はここに決めた!」あるいは「これに決めた!と判断したときにはじめて成約・購入に至るわけです。

ですので、お客様は常に商品やサービス、会社やお店を比較しているということを十分理解していれば、自ずとお客様へはどのような情報を提供すればいいか? が分かってきます。そうです、判断基準となるための比較や選択するための情報を提供するのです。

それを全く提供していない会社やお店というのは、商品力だけに頼っていたり、価格で勝負といったことになったり、あるいは、自社の都合しか考えていないとも映ります。また「言われなくてもそうした情報提供はしているよ」という所でも

  • 当社の商品・サービスを選んだ方がお得です
  • 他社と比べると価格的にもこんなにメリットがあります
  • 特典がいっぱいつきます!

などというように、自社・自店を如何にして選んでいただくか? に注力し、いいことばかりを挙げているところもあります。酷いところは、ライバルの陰口まで言ってしまう始末です。まぁ、陰口までとはいかないまでも、ライバルの方が優れいてる部分をひた隠し、如何に自分のところが優れているかをとにかくアピールします。そして、それこそが営業力・販売力だと勘違いしているのです。

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