【書評】なぜ日本のメディアはここまで酷い嘘をつき続けるのか?

 

電波オークション」をやらないことが、日本のテレビ業界にとって大問題だという。テレビ局が支払う電波利用料は、現状で各局合計60億円程度だ。オークションにかければ、数千億円を下らない。つまり既存のテレビ局は1/100ほどの費用で特権を享受している。その権利を絶対に手放したくないテレビ局は総務省にさかんに働きかけている。総務省もオークションには前向きではない。

総務省はテレビ局に睨みを利かせるために、現状の放送法が必要なのだ。オークションが実施されれば、困るのは既存テレビ局と総務省だけだ。OECD加盟35カ国中、電波オークションを実施していないのは日本だけだ。実施されれば、大きな政府収入になり、市場原理に則った自由競争でいい番組が生まれる。

NHKは殆ど無借金経営状態であり、純資産8,000億円の超優良組織である。著者はズバリ言う。NHKを「公共放送NHK」と「民間放送NHK」に分割せよ。公共の方は受信料制度によって社会的使命を果たし、民間の方は民放各局と同条件で競争し、広告収入で経営せよ。広告以外での利用料も徴収可能だ。妙案である。

さらに言う。海外ではあたりまえになっている、地上波テレビとネットの同時配信をせよ。民放連の反対でいまだ実現していないが、近く必ずそうなるだろう。「右傾化していない」若者が政権を支持する理由は、彼らが情報を大手メディアに依存しなくなったからだ。筆者にかかれば、なにごともデータをきっちりと分析し、正解を出していくれる。いま一番安心な評論家だ。

編集長 柴田忠男

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