2つのネットショップ
その2つのネットショップは、10年前に同じように出店しました。リアル店舗はなく、ネットショップだけでの出店です。仮にA社、B社としておきます。
2つのお店が狙った市場は、どちらもそんなに大きくはありませんでした。せいぜい200億円ほどといったところ。そこは大手が真剣にねらってはきませんから、戦略としては正解です。
どちらのお店も、順調に売上を伸ばしていきます。A社は毎年二桁の伸びを示し、50人ほどの社員を抱えるまでになりました。一方のB社も10年で売上を数億円に伸ばし、従業員も20名を数えます。WEBサイトのデザインも商品の見せ方も一流です。いわゆるWEBマーケティングを駆使してお客様の数を増やしていきます。決して悪くはありません。
ところが、B社の売上はここ数年伸び悩んでいます。どうしてでしょう。実は、B社は多くのお店が取った戦略と同じように楽天などのモールを利用しました。
ここが問題です。
楽天は、お店の顧客リストを自由に使わせてくれません。勝手にお客様にDMやメールを送ってはいけないきまりなのです。顧客リストを活用できなければ、何のための販売努力でしょう。楽天を通じてメールマガジンを送ることは出来ますが、それも費用がかかります。
活用できない顧客リストには、何の価値もありません。すると、つまるところ商品と価格で他店との違いを出すしかありません。その違いを出すことができなくて、B社は売上に苦しんでいます。一方、A社はどうでしょう。