実はSQのCA採用試験は、世界一厳しいことでも知られています。CAの美しさも「Superior Quality」の大切な要素という価値観のもと、CAたちは「シンガポール・ガール」と呼ばれ、シンガポールの象徴なのです。
トレードマークでもある、胸元が大きく開き、スリットが大きく入った衣装はサロンケバヤと呼ばれ、女性をもっとも美しく見せるシルエットが施されています。
CAの採用の面接では「膝を見せて!」と言われると、SQを受けたことがある同期が教えてくれました。膝が小さい人は、採用時に少々ぽっちゃりしていても痩せさえすれば脚が細くなる。ところが膝の大きな人はどんなに痩せても、スラリとした脚にはならないというのです!
しかも、肌はツルツルでなくちゃダメ。鼻の頭にニキビが出来たり、お肌がかさついていたらアウト!
外見だけでなく中身も大切で、特に言葉は母国語だけでなく、英語は品よく話せないと、これまたアウト!
さらに、CAの定年は30歳! そう30歳です!
私がANAに入社した時、CAの定年は60歳でした。でも、教官(当時35歳くらい)はいつもこう言っていました。「あなたたちは60歳定年は当たり前って思うかもしれないけど、私(教官)たちが入社したときは30歳だったのよ」と。
そうなんです。かつてCAの定年は30歳で、その年齢を超えて飛び続けたあるCAに合わせて、定年も伸びていったといわれています。
現在、ANAでは60歳を超えても客室乗務員として働けますし、今年度からは選択の幅を広げ、地上職として働き続けることもできるようになりました。
ちなみにアメリカ系エアラインには、定年という概念がありません。年に一度の保安訓練をパスすれば、ずっと飛び続けられます。
なのにSQは、今だに30歳! めでたく採用されても、サロンケバヤが着こなせない体系になると解雇されるという話も聞いたことがあります。
いやはや、今の日本では「女性差別だ!」と大騒ぎになりそうですが、CAの美しさも「Superior Quality」という価値観を、創業以来貫いているのがSQなのです。
ん? 30を過ぎると美しくないってこと??…あまり深く考えるのはやめておきましょう。ちなみにSQには男性の客室乗務員もたくさんいますが、男性に定年があるかどうかは不明です。
image by: Sorbis / Shutterstock.com
※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年6月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』(2018年6月13日号)より一部抜粋