米国の大勝利。首脳会談で「白紙の小切手」を手に入れたトランプ

 

その前に工作活動を紹介しておきます。テレビ朝日「グッドモーニング」も米朝会談の勝敗を北朝鮮の勝利と位置づけます。

ワシントン特派員とかの肩書きで語る言葉は

関係者によると

と断りながら、トランプ大統領の批判ばかり。その関係者の氏素性に触れません。情報源の秘匿ではなく、ここはこう読み解くべきでしょう。

「なぜ、政府関係者、政府高官といわない」

つまり、ワシントンやニューヨーク周辺には掃いて捨てて、ありあまるほどいる「反トランプ」色も鮮明な、米国民主党系の政治家や元官僚、シンクタンクの弁を「関係者」とだけ切り取り紹介している可能性が高いということです。

日本で言えば国会を18連休するような、特定野党に聞いた「安倍のバーカ」をもとに

「政府への不信感が高まっている」

と関係者のコメントとして紹介するようなものです。

テレビ朝日では「グッドモーニング」の後に放送される「モーニングショー」はマンセーのみ。共同通信大田昌克氏の「えびす顔」がすべてを語ります。

ほぼ全編が米朝会談。なお、この番組は与党が応援した候補者が当選した、新潟知事選挙については1秒も触れませんでした。前職の米山氏の辞職時は、女性スキャンダルへの批判もそこそこに「原発再稼働はどうなる」と取りあげていたのにです。

日曜日のTBS「サンデーモーニング」までこのマンセーは続くのでしょう。もっともフォロワーさんからこの番組は「(北朝鮮)マンセーモーニング」だと聞いたので驚きもしませんが。

まず「ドナルド・トランプ完全勝利説」に踏み込む前に、直前までの状況を確認しておきます。

工作員が大活躍のテレビメディアは「北朝鮮の外交勝利」と喧伝しますが、そもそも6・12シンガポール会談を懇願したのは北朝鮮側です。

当初の首脳会談が持ち上がった理由は「お互い様」だったにせよ、首脳会談合意後に調子こいて米国を挑発し、

「だったらやーめた」

と日本時間の5月24日午後10時頃に、会談中止を発表したトランプ大統領に焦った北と南が必死になだめすかして、一説によれば「土下座(的)」までして、会談の約束を取り付けたのは北朝鮮です。

だから、その「悲願」が実現したという意味では、北朝鮮の勝利ですが、それは「参加」したということに過ぎず、身内で喜ぶ以上の価値はありません。ここも「工作員疑惑」と私が見立てるところです。

そしてそもそも会談前から言われていたことは、「会うことが最大の目的で何も決まらないのではないか」ということで、その通りになったことをもって、なぜ北朝鮮の勝利なのかということ。

開会式に参加しただけで北朝鮮が勝利するとは、どんなスポーツでもあり得ないこと。まもなく開催されるサッカーワールドカップで、開会式に出席したからと勝利宣言するチームや、サポーターがいれば心療内科への通院加療を進められることでしょう。

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