【書評】東大に留学した中国人ですら「天安門事件」を知らぬ理由

 

人民が習近平を好むのは、腐敗・汚職の取締りを進めているからだ。ろくに裁判にもかけず罪を着せる非常に危ういやり方だ。腐敗撲滅で政敵を多く作っているので、引退後に復讐されないためにも延命策を講じるだろう。習近平は共産党の指導者に相応しい要件を満たす上に、メディアの使い方に秀でている。

リベラル派を徹底的に弾圧する一方で、五毛党共産党に有利な意見をネットに書き込むアルバイト。一件あたり五毛:約10円)を使ったり、ネットを通じた宣伝活動が巧妙だ。無報酬のボランティアも沢山いる。大学生が中心で、党に有利な描き込みを続ける。党組織から高評価を得て就職に有利になるからだ。

ネット上では天安門事件関係の情報は根こそぎ削除されている。辣椒はこっそり情報を収集していたから知っているが、周囲の人は誰も天安門事件を知らない。東大に留学しているような学生でさえ知らない。一部の楽観的な人は、インターネットが中国を変えるなどと言っているが、現実を知らな過ぎる。

中国には中華人民共和国中央軍事委員会と中国共産党中央軍事委員会という二つの組織があるが、メンバーは全部同じ。もし中国人民と中国共産党が対立したら、200万人の人民解放軍は共産党の側に立つということを確認している。解放軍の最大の仮想敵は、日本でも米国でもない。丸腰の中国人民なのだ。特筆すべきは肖像画の超絶のうまさである。ここまで描ける人は稀だ。

編集長 柴田忠男

image by: Carlos Huang / Shutterstock.com

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