6月18日に発生し大きな被害をもたらした大阪北部地震ですが、震度6弱を記録した震源地近くでは日常を取り戻しつつあります。メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の著者で健康社会学者の河合薫さんは、今回の被災を「明日は我が身」であると強調。東日本大震災の際に被災してパニックになり、見知らぬ人からの助言で救われたという過去の経験をもとに「スマホは電池切れをおこすが生の繋がりは消えない。互いに声を掛け合おう」と強く訴えています。
※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年6月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。
あの日どこにいましたか?
みなさん&みなさんのご家族・お知り合いなどは、大丈夫でしたか? ここのところ各地で揺れが続いていたので、「そろそろかも」とイヤな予感がしていましたが、やはり来てしまいました。
大阪北部を震源とする震度6弱の地震は、死者5人、負傷者300人以上。ライフラインの復旧作業が現在も続いてます。ガス会社に勤める知人は、地震発生直後に本社から「大阪行き」を命じられ、東京を離れました。
エレベーター関連会社や物流関係の人たちも現地に入られたそうで、自衛隊の方たちだけでなく、民間の方たちの支援が広がっているのを嬉しく思うのと同時に、ホントに頭が下がります。
そして、何よりも悔やまれるのが9歳の女児が壁の下敷きになった事故です。ブロック塀は違法建築で、しかも壁沿いの道路は学校の指導で「グリーンベルト」と呼ばれる通学路となっていました。
必ずといっていいほど、事故が起こる現場は「違法」です。
昨年の7月、全国の公立小中学校の98.8%で耐震化が完了ました。しかし、耐震化されていない建物のうち、6強以上で倒壊する危険性のある建物は257棟もあると報告されています(北海道42棟、福島36棟など)。ただ、これらはあくまでも校舎のみで、ブロック塀は対象外。
しかも、熊本地震のときに耐震化が終了していた小・中学校24校の体育館が損傷し、停電した館内にボルトが落下する事故も発生。その後「早急に整備すべし」との報告書が出されていました。
今回のような地震発生時、小中学校は避難所にもなるので早急に塀だけでなく、体育館などの耐震の再点検も願うばかりです。