医学界が震撼。がんや脳梗塞を迅速に発見できる画期的な診断法

shutterstock_352458449
 

人類の寿命が益々伸びることになるかもしれません。現役医師の徳田安春先生が自身のメルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』で紹介しているのは、急性期脳梗塞をはじめ様々な病を医師より正確に、そして迅速に発見できる画期的な診断法。まさに日進月歩のそのシステムとはどのようなものなのでしょうか。

急性期脳梗塞の診療を医師より迅速にできる

脳梗塞の中でも、脳の太い血管が閉塞するタイプは、症状も重篤であり、死亡率も高く、重度の神経障害を残す可能性が高くなります。多くの場合で、動脈硬化症や心房細動による血栓が原因となります。血栓を溶かす薬やカテーテルによって血栓を除去する治療を緊急で行うことができれば、神経障害を残すリスクを下げることができます。

しかし、脳の太い血管が完全に詰まってしまうと、1分間で約200万個もの神経細胞が死滅してしまいます。そのような治療が必要なタイプの脳梗塞であるかの診断を迅速に行って治療を早めに行う必要があります。従来では、病院の医師による脳の画像診断では、治療必要性の判断を行なって、治療を行うチームのメンバーに連絡できるまでに、約1時間もの時間を必要としていました。

そんな中、最近発展が目覚ましい人工知能がこの分野に導入されてきています。2018年にviz.ai社(本社サンフランシスコ)が開発した脳梗塞診療サポートの人工知能システムがアメリカの食品医薬局によって認可されました。この人工知能システムは、Deepラーニングによって機械学習されたもので、太い血管が閉塞するタイプの脳梗塞の診断と治療判断を迅速に行うものです。

このシステムを用いると、病院で撮られた脳のCT画像を自動解析し、緊急の治療が必要な場合には、スマートフォーンでメッセージを直接送ることで脳梗塞治療チームに招集連絡をすることが、平均約6分間で可能となりました。テネシー州などの脳梗塞の多い州の医療機関では、このシステムを取り入れることを決めました。

皮膚がんを皮膚科医より正確に診断する

もともと皮膚科の医師は、システム1と呼ばれる、専門的なパターン認識で皮膚病変を診断していました。皮膚科の医師は、長年の経験を経ることにより皮膚病変の診断の精度を上げることができるようになります。しかし、パターン認識はdeepラーニングが最も得意とするスタイルです。

人工知能に何十万枚もの皮膚病変の写真を機械学習させることによって、ほんの数日間でベテラン皮膚科医のレベルを超えるシステムが出来上がるようになりました。2018年の5月に発表された専門分野のジャーナルによると、ドイツの大学で人工知能による皮膚がん発見システムが開発されています。

その研究結果では、皮膚がんの診断率は、皮膚科専門医が87%であったのに対し、人工知能が95%でした。また、良性の皮膚病変をがんであると誤診してしまう割合についても、人工知能が皮膚科専門医より少ないという結果でした。まさに人工知能恐るべしです。

print
いま読まれてます

  • 医学界が震撼。がんや脳梗塞を迅速に発見できる画期的な診断法
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け