ソニーよ、正気か? 大赤字の「スマホ事業」にしがみつく裏事情

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2018年4~6月期の連結決算で純利益が前年同期比2.8倍を記録するなど、業績好調のソニー。しかしスマートフォン事業に目を向けると、他事業の足を引っ張る形となっています。それでもソニーがスマホにこだわる理由はどこにあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』では著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、同社のスマホ事業の業績がここまで落ち込んでしまった理由を分析するとともに、「撤退しない理由」を解説しています。

ソニーが赤字垂れ流しの「スマホ事業」を続けているワケ

ソニーの業績が好調です。同社が7月31日に発表した2018年4~6月期の連結決算(米国会計基準)は、売上高が前年同期比5.1%増の1兆9,536億円、本業の儲けを示す営業利益が同23.7%増の1,950億円でした。最終的な儲けを示す純利益は同2.8倍の2,264億円です。

特にゲーム事業がけん引しました。「プレイステーション4」のソフトやハードの販売が好調だったことで同事業の売上高が前年同期比36%増の4,721億円、営業利益が同4.7倍の834億円と大幅な増収増益を達成しています。

好調を受けて、ゲーム事業の通期売上高の予想を、従来予想より2,800億円多い2兆1,800億円に、営業利益の予想を600億円多い2,500億円に上方修正しています。

大幅増となった連結純利益は、音楽配信の世界最大手、スポティファイ・テクノロジー株の評価益および売却益で1,128億円を計上したことが大きく寄与しました。

確かにソニーの業績は好調です。しかし、一方で今回の決算でソニーが抱えている問題も改めて浮き彫りとなりました。スマートフォン事業の不振が大きな問題となっています。

スマホ事業の18年4~6月期の売上高は前年同期比27%減の1,325億円、営業損益は107億円の赤字(前年同期は36億円の黒字)でした。大幅な減収となり、営業赤字に陥っています。主力市場の日本と欧州においてスマホの販売台数が減少したことが影響しました。

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こうした状況から、スマホ事業の通期見通しを下方修正しています。売上高は従来より300億円少ない6,100億円、営業損益は150億円悪化の300億円の赤字としています。

ソニーはゲーム事業やスマホ事業の他に、音楽事業や映画事業、テレビなどのホームエンタテインメント&サウンド事業、カメラなどのイメージング・プロダクツ&ソリューション事業、半導体事業、金融事業などを営んでいます。

これらの中で減収となったのはスマホ事業と映画事業のみです。映画事業は減収だったものの、広告宣伝費の減少などで営業損益が改善しています。そのため、減収営業減益となったのはスマホ事業のみとなっています。

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