まともな大人が1人もいない。有名校いじめ事件の酷すぎる現場

shutterstock_550302541
 

日本全国あらゆる地域を飛び回り、数々のいじめを解決してきた現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。そんな阿部さんが今回、自身のメルマガ『伝説の探偵』で取り上げているのは、部活内で起きたいじめに、結果として顧問や学校長までもが加担してしまったという事案です。県教育委員会も隠蔽に躍起になっているというこのいじめの現場で、どんな事が起きているのでしょうか。

有名校女子バスケットボール部いじめ問題と深い隠蔽について その1

はじめに

本件は、まだ解消された事案ではありません。ただ、この事案のように、生徒間のいじめのみならず、顧問の教員学校長までもが結果的にいじめに加担するという問題が現場では起きています。生徒間だけでもつらいものなのに、そこに教員が加担すれば、被害者のダメージは甚大なものになるでしょうし、さらに学校長も加担してしまうと、もはやその環境から抜け出すことも困難になるはずです。読者の皆様には、ぜひ、この現場を知っていただきたいと思います。

いじめの概要

甚大な被害を受け続けているAさんは、県立高校に通う現在3年生である女子生徒)。ここは、県立高の中でも、成績上位に入るような学校である、世間ではトップ校は受験などの忙しさもあり、また利発な子が多いのでいじめというイメージはないだろう。

ところが、いじめはどこにでもあるのだ。

Aさんは現在高校3年生になる。いじめは、部活の同級生でキャプテンであったB子を中心としたものであった。無視や仲間はずれ、部活では同じポジションであったAさんへの執拗ないじめ行為には、キャプテンという立場を使ってレギュラーを決めるための練習試合に出させないなどいじめをし続けた。実際、いじめ行為の数はあまりに多い。これについては続編で詳細にレポートしたい。

すでにいじめ自体の認定はされており、この問題は重大事案となっている。ただ、問題はいじめ以外の対応にもあるのだ。

学校加担となったいじめの証拠

部活では慣習として、一度決まったゼッケンは本人が卒業するまで固定の番号となる。つまり、同じゼッケンの選手は存在しないことになるのだ。「0から99」番まで、それぞれが個別の番号を獲得するために、懸命な努力をする。Aさんも妨害を受けつつも懸命に努力してゼッケンがついたユニフォームをもらっている

201809010_tantei(モザイク処理しました)

ところが、Aさんが退部していないのにも関わらず、後輩生徒がAさんと同じゼッケンをつけていることが発覚した。Aさんは部活内でのいじめを訴えていて、部活に参加するのが難しくなっていたが、退部しないと顧問などにはしっかり意思表示していた。また、顧問らは退部させるというような通告もしていない。

このユニフォーム事件の内情は、顧問からユニフォームがまだない部員に新たにゼッケン入りのユニフォームを渡すということを学校長に提案し学校長承認のもと敢えてAさんがつけていた番号にして作ったのである。

大人たちから見ればユニフォームはただの運動着かもしれない。しかし、部活に懸命であった者からすれば、その番号は学生生活で最も重いものかもしれない。部活の顧問は、管理責任のもと、Aさんの番号も慣習も知っていたはずである。いじめがすでに問題になっていたから、学校長も既存の事実であった。だからこそ、このユニフォームの問題は、Aさんへのいじめに一教員が加担したのみならず学校長が関与したことで、学校すら加担したことになってしまった。

print
いま読まれてます

  • まともな大人が1人もいない。有名校いじめ事件の酷すぎる現場
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け