大坂なおみ選手の全米OP優勝にケチを付けた、主審のマズい対応

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日本人として初めて全米オープンテニスで優勝を果たし、日本のみならず世界を熱狂させた大坂なおみ選手。対戦相手のセリーナ・ウィリアムズ選手のペナルティ、表彰式でのブーイングなど異例ずくめの女子最終日でしたが、アメリカではこの決勝戦や大阪選手の優勝についてどのように報じられ、そして受け止められているのでしょうか。米国在住の作家・冷泉彰彦さんが、自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で現地の最新情報を伝えてくださっています。

大坂なおみ選手の勝利と『ロスト・イン・コミュニケーション』

それにしても、圧勝でした。大坂選手は、一試合ごとに上手になって行ったし、メンタルに関しても確実にコントロールの技術を向上させて行ったと思います。アメリカの多くのメディアがこの1勝は始まりに過ぎない」ということを言っていますが、本当にそうだと思います。

決勝戦については、相手のセリーナ・ウィリアムズ選手が、3度の警告を受けた結果「ゲーム・ペナルティ」つまり、「ワンゲームを失わせる」という厳しい罰則を受けて自滅するという、何とも言えないハプニングが起きてしまったわけです。

ただ、土日を挟んで週明けの現時点では、全体像も明らかになり、アメリカのメディアは落ち着いた報道になりつつあります。セリーナ選手への警告、罰則、罰金というペナルティも出て、「事件」としては一件落着という感じがあります。そんな中で、ジワジワと大坂選手の偉大さが浸透しつつあるというところでしょうか。

現時点でのアメリカのメディアにおける、大ざっぱな理解は次のように集約することができます。

1つは、大坂選手の落ち度はゼロということについては、どこにも異論はないということです。何度も起きたブーイングも、主審に対するものがほとんどだったということも、誤解なく伝わっています。

2つ目は、それはそれとして、セリーナ選手の抗議について、特に「男性が激しく抗議しても警告なしとなるのに、女性には厳しいのはおかしい」とか「女性の感情的抗議はヒステリーとして問題視されるが、男性の場合は口が悪い程度の扱いで済む」という点など、「ジェンダー差別があるのではないか?という抗議」については、往年の名選手ビリー・ジーン・キング氏がセリーナ擁護のコメントを出すなど、一定の説得力を持っています。

ただ、同じように超ビッグな存在であるマルチナ・ナブラチロワ氏は、ジェンダー差別という主張には賛同しつつも「決勝戦のあの場であのように抗議すべきではなかった」というコメントを出しています。

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