必要な「身の丈にあった成長戦略」
こういった状況のため、RIZAPは既存事業に注力し、新規のM&Aは原則凍結する。なお、これにより同社の利益は目減りすることになる。同社は会計のマジックを使って利益をかさ上げしてきた面があるが、今後はそれができなくなるためだ。
RIZAPは経営不振の企業を中心に買収を進めてきた。経営不振の企業を買収する場合によく発生することだが、買収先の純資産を下回る金額で企業を買収できることがある。その金額差を「負ののれん」というが、RIZAPが採用している国際財務報告基準では、負ののれんは利益として一括計上することができる。RIZAPはこの会計のマジックを利用して利益をかさ上げしてきた。
しかし、M&Aを凍結することでこれができなくなる。19年3月期の業績予想にはこのマジックによる利益計上を織り込んでいたが、それが見込めなくなり、先述したとおりM&Aの凍結で103億円の利益が押し下げられる。
今後は一つひとつの企業をしっかり見ていく必要があるだろう。経営改善や相乗効果が見込めない事業は早急に縮小・撤退が必要だ。無理をせず、身の丈に合った成長戦略を描く必要があるといえるだろう。
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