台風が直撃する前に知っておくべき被害を最小限にする4つの方法

2019.10.10
2019-10-10 17.59.20
 

10月12日(土)から13日(日)にかけて日本列島に上陸し、「関東直撃」の可能性も予測されている、大型で猛烈な台風19号。今回、首都圏の鉄道各社は明日までに「計画運休」の発表を検討しているようです。かなりの被害が出ると予測されている台風19号ですが、その上陸を前にどのような準備をし、心構えをすれば良いのでしょうか? MAG2 NEWSで停電や災害の準備に関する記事を執筆してくれた「防災のプロ」こと、サバイバルマニアのつぼっちさんが、今回の台風19号の直撃を前に何をすれば良いか、どんな情報をメモしておけば良いかについて詳しく紹介してくれました。ぜひ、台風の防災にお役立てください。

【関連記事】● サバイバルマニアが教える、「突然の停電」を生き抜く防災グッズ11選

「防災のプロ」が伝授。台風19号が直撃する前に知っておくべき被害を最小限にする「4つ」のこと

気象庁が発表した、10/12の9時時点で予想される台風19号の勢力と位置は、下記の通りです。

img1

ここで注目して欲しいのは、台風19号の風速です。中心付近の最大風速は予測で「45m/s」、最大瞬間風速は「65m/s」です。これは2018年に大阪で大きな被害をもたらした「台風21号に匹敵する速度です。

2018年の台風21号による風の被害は、連日テレビやYoutube等で取り沙汰されていたので、皆様の記憶にも残っているかと思います。トラックが横転したり、民家の屋根が吹き飛ばされたり、その残骸がマンションの窓に刺さったりと、改めて風の恐ろしさを思い知らされたのではないでしょうか。

今回の台風19号は、関東地方に同様の被害をもたらす可能性が大きいとみています。特に東京は様々な高さのビルが建ち並び、巨大な広告看板や、工事中の足場など、風によって飛ばされる可能性のあるモノが数え切れないほどあるため、どの程度の規模の被害になるかは想像もつきません。

そこで、今回の記事では、被害を少しでも防ぐためにできる4つのこと】をご紹介いたします。

知っておくべきこと

1 台風の進路状況
まずは台風の進路状況を確認することが大切です。いつ頃自分がいる場所に到達するのかを逆算すれば、避難所に向かう時間を計算することができます。また、自宅にいる場合は暴風域に到達するまでに準備できる時間を把握しましょう。

2 各交通機関の運行状況
仕事や用事で外出している方は必ず各交通機関の運行状況を確認してください。風による遅延や、事故による運休の可能性もありますので、臨機応変に状況判断してください。Twitterや、yahooニュースなどは比較的更新頻度が高いため役に立ちます。

3 避難準備・避難勧告・避難指示
ここであらためて、災害時にテレビやラジオで流れる【避難の情報】について確認します。

まず最初に、避難情報についてよくある勘違いは避難勧告=「避難することを促す」、避難指示=「避難しなさい」という誤解です。

正確には、避難勧告=「避難しなさい」。避難指示=「今すぐ避難しなさい」です。

● 内閣府の防災情報のページ避難勧告等に関するガイドライン

img2

テレビラジオネット避難情報を確認し、正しい避難指示の認識を持ちましょう。

4 関東の避難マップ
もし、避難勧告が出された場合、どこに避難すればよいのかわからなくては迅速な行動はできません。お住いの地域に一番近い避難所を覚えておく必要があります。そこで、関東の避難所MAPを掲載している防災タウンページから以下のデータを引用しました。

関東の避難所MAP

茨城県
https://bosai.itp.ne.jp/saigai_area/ibaraki/

栃木県
https://bosai.itp.ne.jp/saigai_area/tochigi/

群馬県
https://bosai.itp.ne.jp/saigai_area/gunma/

埼玉県
https://bosai.itp.ne.jp/saigai_area/saitama/

千葉県
https://bosai.itp.ne.jp/saigai_area/chiba/

東京都
https://bosai.itp.ne.jp/saigai_area/tokyo/

神奈川県
https://bosai.itp.ne.jp/saigai_area/kanagawa/

山梨県
https://bosai.itp.ne.jp/saigai_area/yamanashi/

防災タウンページでは全国の避難所を掲載しておりますので、お住まいの地域の避難所を把握しておくと安心です。

全国の避難所マップ

伝えておくべきこと

  1. 家族と必ず避難所の確認をしましょう。ただ、災害時に外出している場合は近くにある避難所に避難してください。家族のもとに向かいたい気持ちはわかりますが、まずはご自身の安全を確保してください。
  2. 避難所にたどり着けない場合は外出先の避難所を確認しておき、家族や知人や会社などに自分の居場所を伝えておくことが大事です。のちに、家族と合流する際に行き違いになることを防ぐことができます。
  3. 地方に家族がいる場合も、自分がどこに避難しているのかを伝えておくとよいです。一緒に住んでいる家族と行き違いになって連絡できない場合、地方の家族から情報を提供できるようなります。
  4. 災害用伝言ダイヤルを利用しましょう。災害時に初めて災害用伝言ダイヤルを利用しようとしても、不安や緊張によってうまく使えないものです。普段からwebサイトをよく読み、使い方を学習しておきましょう。

通信会社各社の災害用伝言サービス一覧

NTT東日本
https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171/

au
https://www.au.com/mobile/anti-disaster/saigai-dengon/sp-usage/

docomo
https://www.nttdocomo.co.jp/info/disaster/disaster_board/

softbank
https://www.softbank.jp/mobile/service/dengon/

備えておくべきこと

  1. …水は必ず備えておきましょう、人間は1日に3リットルの水分が必要だと言われております。もし断水や停電が発生した場合は一週間分の水を用意しておくことが推奨されています。目安としては4人家族の場合84リットルの備蓄が必要です。ペットボトルでの用意は難しいかと思われますので、ペットボトルで購入できる分は購入してそれ以外は、お風呂に水をためておくと良いでしょう。浴槽には平均200リットルの水がためられます。台風が来る前には必ずお風呂の水を用意しましょう。
  2. 照明…おすすめは電池式のランタンやソーラーパネルが付いているランタンです。また懐中電灯でも上に水の入ったペットボトルなどを乗せることでランタンとしても使用することができます。
    ろうそくは普段使い慣れている人は良いのですが、使い慣れていないと火をつけたまま寝てしまったり、ペットが倒してしまったりして火事の原因になります。安全対策をしっかりした上でご使用ください。
  3. 電池式ラジオ…電気が止まった状態は、テレビやスマートフォンが使用できない可能性があります。災害状況の確認や避難状況の確認など電池式のラジオは情報収集に役立ちます。
  4. ガスコンロ…災害時にお湯を沸かしたり、料理をするのに欠かせないのがガスコンロです。ガスボンベなどはコンビニでも売っていますので、買い足すなどの準備が大切です。
  5. 食料…非常食はいろいろなものがありますが、状況を想定して購入することが大切です。
    例えば、水が潤沢にある場合はカップラーメンやアルファ化米などがおすすめです。
    手元の水が少ない場合は、あまり水分のいらないレトルトのカレーや羊羹など状況によって使い分けると良いでしょう。
  6. 保冷剤、使い捨てカイロ…電気が使えない状態では体温調節が難しい場合があります。台風が過ぎ去った後は台風一過の影響で気温が上昇する場合があります。そのため保冷剤や、うちわ、クーラーボックスなと体温を下げるための物を準備しておくことが大切です。また、気温が低い場合は使い捨てカイロ、ガスストーブ、サバイバルブランケットなど、電気を使わない防寒対策が必要になります。
  7. 携帯用トイレ…断水や停電時ではトイレが使用できなくなるとこが多いです。携帯用トイレなどを準備しておくと良いでしょう。
    私のおすすめはゴミ用の50リットルサイズのポリ袋と猫の砂です。便器にポリ袋をかぶせその下に猫の砂をひきます。
    そして用をたした後はまた猫の砂を上からかぶせます。捨てるときも燃やせるゴミとして捨てられます。
  8. モバイルバッテリー…停電時にスマートフォンを充電するためにはモバイルバッテリーが便利です。
    また、モバイルバッテリーの他にはエネループなどの充電できる乾電池も、通常の乾電池より長持ちで、懐中電灯などと相性が良いです。
    コンビニでも販売していますので、買い足すことをおすすめします。

やっておくべきこと

【家について】

  1. 戸建の場合は浸水被害などを防ぐために土のうなどを予め玄関などに設置しておきましょう。また、土のうなどが手に入らない方は水のうを作ることを推奨します。水のうとは二重にしたレジ袋などに水をいっぱいに満たし取っ手部分を固く縛ります、それをダンボールの中にたくさん入れると、土のうの代わりに使用することができます。使用後はレジ袋に穴を開け、水を排水口などに捨てられるため、簡単に処理ができます。
  2. 植木鉢や風によって飛ばされそうなものは部屋の中に入れましょう。
  3. 暴風域に入る前に雨戸をしっかり閉じましょう。雨戸がない場合は窓にガムテームなどでダンボールを貼り付けておくと、窓が割れたときにガラスが飛び散るのを防ぐことができます。ダンボールがない場合はガムテープを直接、窓に貼り付ける事でもガラスが飛び散るのを押えてくれます。また、必ずカーテンを閉じることを忘れないでください。
  4. マンションやアパートは物干し竿が飛ばされる可能性がありますので、室内にしまうかひもなどで固く結んで固定してください。
  5. もし、窓ガラスなどが割れ強風が吹き込んできた場合は、すぐに処理をするのではなく、まずは別の部屋へ移動してください。
    ワンルームの場合は押入れやクローゼットに逃げ込んでください。また、お風呂場でもよいでしょう。大事なのは風が入らない空間に身を置くことです。閉め切れば押入れでも意外に風は入ってきません。

最後に

台風19号の上陸まで時間がだいぶ迫ってきました。しかし、まだ準備する時間は残されています。台風の防災でいちばん大切なのは、風を甘く見ないことです。そして十分な準備をしておくことです。家族を守るため、自分の命を守るために準備を怠ってはいけません。私もこれから家に帰り、残された時間で準備する予定です。皆さんもどうか無理をなさらず、早め早めの判断と行動を心がけてください。

image by: 気象庁 気象衛星

つぼっち

print
いま読まれてます

  • 台風が直撃する前に知っておくべき被害を最小限にする4つの方法
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け