イタリアで新型コロナ感染者1万人越え。医療崩壊で感染拡大

2020.03.11
by tututu
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イタリアの新型コロナウイルス感染者の増加が止まらない。イタリア保健省は10日、新たに977人の感染が確認されて1万149人となり、感染者が1万人を超えたことを明らかにした。中国に次いで世界2番目の多さとなる。イタリア政府は全土で不要不急の外出を控えるよう求める措置を打ち出すなど、新たな対策が感染の封じ込めにつながるか注目されている。

イタリア感染者1万人越えは世界ワースト2位

感染者が1万人を超えたイタリア。死者は一日で過去最多となる168人増え、631人に達した。コンテ首相は9日、封鎖を国内全土に広げると発表。やむを得ない移動を除き、10日から来月3日まで、集会やスポーツの試合も全て禁止された。各地では混乱も起きていて、受刑者と家族の面会が禁止された刑務所では、20カ所以上で受刑者家族を巻き込んだ暴動が起き、6人が死亡したとテレビ朝日が報じている。

一体、なぜイタリアでここまで感染が拡大してしまったのか?その背景には、医療スタッフの不足が関係しているようだ。

イタリアは欧州連合(EU)が求めた財政緊縮策として医療費削減を進め、医療機関を減らしてきた。その結果、過去5年の間に約760の医療機関が閉鎖し、医師5万6000人、看護師5万人が不足しているという。政府は引退した医療関係者の現場復帰を呼びかけ、軍事施設の活用など対策を急いでいる。

加えて、深刻なのが医療体制。AP通信はロンバルディア州では医師と看護師の10%に陽性反応が出て隔離されていると伝え、「病棟の半分以上の医師が感染」と報じた現地メディアもあるという。また、自らの感染を恐れて、個人医院の多くが休診している。

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