現役探偵が糾弾。いじめ自殺事件の加害者を守る商船高専の実態

shutterstock_1277510752
 

2019年2月掲載の「探偵が暴露。あまりにも酷い大島商船高専いじめ自殺事件の実態」を皮切りに、亡くなった生徒や遺族を冒涜するかのような大島商船高専サイドの卑劣な対応を暴き続けてきた、現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。去る3月27日、当案件の第三者委員会による最終報告記者会見に参加したという阿部さんは今回、自身のメルマガ『伝説の探偵』で、改めてこのいじめ事件の全貌を振り返るとともに、未だ処分等の動きを見せない高専を厳しく批判しています。

メルマガのご登録により阿部さんの活動を支援することができます

 

大島商船高専いじめ事件はここから全てが始まった

山口県にある国立大島商船高専のいじめについては、過去の記事でお送りしてきた。

探偵が暴露。あまりにも酷い大島商船高専いじめ自殺事件の実態
高専いじめ事件の怪。厚顔無恥な校長の放った「無礼千万」発言

2020年3月27日、私はコロナ騒動の中、山口県に向かった。当日、第三者委員会が調査の最終報告をするということであった。

いじめ自殺未遂事件の第三者委員会は、大きな項目として14のいじめを認定、学校や学校設置者である独立行政法人国立高等専門学校機構(以下、「高専機構」という)がいじめの定義なども知らぬために誤った対応を初歩からしていたと厳しく指摘した。

14のいじめは、被害者の片眉を誕生日に正座させてみんなの前で剃り上げたことや肩をパンチするなどの暴力、消臭スプレーを吹きかける などが含まれているが、全体としては7割程度を認めたに過ぎない。

いじめの首謀者らが第三者委員会の聞き取りを拒否するなどしたことで、認定に至らなかった事例もあるのだ。

しかし、2年以上に及ぶ調査をそのために引き延ばすわけにもいかず、首謀者らがした「いじめ行為」はいくつも認定となったことから被害者側はこれに応じたというわけだ。

さらに、このいじめには被害者を守っていた同級生らが、学校に不当で高圧的な取り調べを受けたり、いじめの加害者として強引な処分を受けたことも問題となっていた。

守っていた同級生らは、複数の教職員に囲まれ、中にはカレンダーなどを投げつけられて、「ちゃんと言わないなら、退学もあり得る」と脅迫行為を受けた者もいた。

実際、被害者は恣意的に単位を減らされ、留年させられているし、守った同級生らも単位を認めてもらえなかったり、停学処分を不当にされている。

一方、いじめの首謀者やそのグループは、一部の者は停学の処分を受けたもののなんらの処分は受けていないのだ。

被害者側は、これら不当で暴君的な対応について教職員の処分やいじめの加害者らの処分を強く求めると同時に、第三者委員会が調べたおよそ85ページを超える調査報告書を学校や高専機構のホームページに掲載することを求めた。

通例、いじめ第三者委員会の調査報告書は、公益のために学校設置者などのホームページに掲載される。被害者側(ご遺族を含む)が拒む場合は、その限りではないが、公開するものだ。

しかも、2年以上も調べた結果であれば、尚更だ。

しかし、被害者側の求めには今のところ(2020年4月9日の段階)応じていないし、なんらの処分や謝罪も行われていない。

さて、認定されたいじめ行為の中には、その以前に起きた「いじめ自殺事件」の問題がある。

いじめ自殺事件(もう一つのいじめ事件)

2016年5月21日、国立大島商船高等専門学校の校舎から1年生(以下、「B君」という)の男子生徒が飛び降り自死したのだ。

前述のいじめ自殺未遂事件の被害者は、同級生であり、寮では同部屋であった。そして、B君をいじめていたと加害者の扱いを受けていたのだ。これについては、前述の第三者委員会が事実と反することを含め、いじめ首謀者らのいじめ行為として認定されている。

そして、私は2020年3月27日、第三者委員会報告と同時に行われた記者会見に参加した後、B君のご遺族と会い、当時の話を聞いた。

そして、お話の裏付けを全て取り、発生した日時なども細かく確認した。前述の調査の資料と合わせ、調査時に協力してくれた生徒らから当時の状況を詳しく聞き取った。

print
いま読まれてます

  • 現役探偵が糾弾。いじめ自殺事件の加害者を守る商船高専の実態
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け