今さらGoTo一時停止。産経すら苦言を呈した「国民軽視」菅首相の宰相失格

tsuda20201214
 

菅首相は14日夕、政府の観光支援事業「GoToトラベル」を28日から来年1月11日まで、全国一斉に一時停止すると表明しました。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めのかからぬ中、出演したネット番組で「いつの間にかGoToが悪いことになっている」とし、改めてキャンペーン継続の意思を示していた菅首相ですが、世論の声を無視することはできなかったようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者で日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、国民の命を守ることは安全保障上の問題で経済より優先する必要があるとして、現政権の舵取りを強く批判しています。

コロナ感染爆発の危険性。命より経済の方が重要?

11日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、GoToトラベル・GoToイート事業の一時停止と、飲食店の営業時間短縮を「午後8時」に前倒しするよう求める提言をまとめた。

しかし、11日朝加藤官房長官は、政府が観光支援策GoToトラベルの一時停止の検討を始めたなどとする一部報道について、政府としてはGoToトラベルを維持する方向であると語った。

GoToトラベルによって、「大きな感染のなかった地域でも感染拡大になっている」と専門家は言う。事実、岩手県は、第1波時には感染者ゼロであったが、12日43人感染で感染者累計295人となっている。

感染爆発した地域では外出自粛をする必要も出るが、大阪市、札幌市、旭川市、広島市に広がっている。11日現在、病床使用率20%以上「ステージ3」(感染急増)の水準は24都道府県で、北海道、兵庫、高知が病床の使用率50%以上で、緊急事態宣言発令となる「ステージ4」(爆発的な感染拡大)の水準に達した。

東京は、12日621人の感染者を出しているが、再生産指数が1近辺であり、大きく増えていないが、東京の若者が旅行に行く地方の感染が拡大している。地方の方が病床数が少ないので東京より地方の方が心配になっている。

山中教授は、大阪とサンフランシスコの2つの都市に住んでいるが、サンフランシスコより大阪の方が感染規模が大きいと言っている。

特にPCR検査量が、大阪はサンフランシスコの10分の1以下であり、隠れ感染者が多数いる可能性が高いという。

日本は米国の50分1の感染規模というが、米国の先端地域に比べると日本の方が感染爆発しやすいことになる。

その上、専門家は、この規模の感染者数では、追跡ができずに、クラスターを見つけることができなくなり、PCR検査を面的に広げて、感染者を見つけるしかないと言っている。もししないと、感染爆発を起こすと警告している。

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