利権はあっても理論なし。竹中平蔵氏と菅首相の哀しき共通点

sataka20210121
 

先日掲載の「竹中平蔵YouTubeに低評価の嵐。ブーイングが『いいね!』の40倍、国民騙せず?」でもお伝えしたとおり、すっかり化けの皮が剥がれた感のある竹中平蔵氏ですが、メディア戦略は巧みなものがあるようです。評論家で『竹中平蔵への退場勧告』の著作もある佐高信さんはメルマガ『佐高信の筆刀両断』で今回、対談相手として自身が避けられている事実とその理由を暴露。さらに経済学者の浜矩子氏が明かす、竹中氏がまともな経済学をまともに勉強していなかったと思しき「証拠」を記しています。

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※本記事は有料メルマガ『佐高信の筆刀両断』2020年12月4日号、11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

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竹中平蔵と与謝野馨の対立

『サンデー毎日』の2020年12月13日号に田原総一朗と私の激突対談が載っている。行司役は『毎日新聞』OBの倉重篤郎。

菅義偉をめぐる「激突」だが、当然、それは竹中平蔵をめぐる「激突」ともなる。テレビ朝日の『朝まで生テレビ』に竹中が出て適当なことを言っていたが、竹中に対峙すべき森永卓郎は人がいいため、押され気味だった。

田原の言を信じるなら、田原はスタッフに私を推薦したという。私の推測では、それは竹中が拒否したのだろう。これまでも、対談というか対決の企画はつぶれている。

竹中は、反竹中でも学者なら出てくるのである。金子勝にしても森永にしても、学者は理論にこだわる。それは言いくるめられると竹中は思っているのだ。

しかし私は、『竹中平蔵への退場勧告』(旬報社)に書いた如く、竹中のやったことやスキャンダルを追求する。

中立的な有識者を気取るなら、なぜ、パソナの取締役会長をやっているのかと、あくまでも問い続ける。竹中にとって理論など後からいくらでも言いわけできる道具にすぎない。言ってみれば理論派ではなく利権派なのだ。

2016年に出した岸井成格と私の『政治原論』(毎日新聞社)を読み返していたら、「竹中平蔵VS与謝野馨」という節が出て来て、そこで岸井は、竹中が総務大臣を辞めた時、安倍(晋三)政権で居場所がなくなったのだと思った、と言っている。それまで両者の批判は、岸井が思わずメモを取るくらい激しかった。それで岸井は安倍が竹中を切ったのだと思ったが、実は与謝野を切ったのだった。読みまちがえたわけである。

「結果を見たら、与謝野が閣外に去って、大田弘子が経済財政担当で入り、菅義偉が副大臣からそのまま後任の総務大臣になった。だから安倍は、実質的には竹中をとったということですよ」

大田は竹中の妹分である。そこで私は岸井に、「菅というのはどういう立場なの?」と聞いている。岸井の答えはこうだった。「安倍の親衛隊長だよ。切込隊長。竹中チームです」

安倍の後の福田(康夫)内閣で経済財政担当相をやった与謝野は“政策の職人”と呼ばれる。自民党総裁選に出た時には「人の痛みがわからない政党であってはならない」と強調していた。「人の痛みがわからない」竹中とは当然対立するだろう。

意見の違いは違いとして、私は与謝野と公私含めて2回か3回会っている。イヤな感じはなかった。少なくとも逃げるような人間ではない。そこも竹中とは違うのだろう。竹中には利権はあっても理論はない。菅とはその点も共通するのだろう。

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